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“省エネ大国日本”の歴史と今後の課題
長い間、化石資源の少ない日本にとって貴重なエネルギー資源を大切に使用するためいかにエネルギー効率を向上させていくかが課題になっていました。
その結果世界でもTOPクラスの省エネ大国へと成長してきました。
今回は省エネの先進国となった日本のこれまでに取り組まれてきた省エネ対策や今後の課題等をご紹介していきたいと思います。
世界最高水準のエネルギー消費効率の日本
(出典)IEA「Energy Balances of OECD Countries 2014 Edition」、「Energy Balances of Non-OECD Countries 2014 Edition」
日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」を基に作成
◇省エネ法とは
皆さん省エネ法というものをご存知でしょうか?
省エネ法とはオイルショックをきっかけに1979年に制定された日本の省エネ対策の一つで「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」と言います。
1973年と1979年にオイルショックと呼ばれる世界的な石油危機問題が起こったことがきっかけで、石油の供給が止まってしまうのではないかという恐れもありエネルギーを効率的に利用する目的とした省エネ法が制定されました。
省エネ法は時代に応じて改正されながら現在も続いております。
◇省エネ法が規制する分野は?
省エネ法が直接規制する事業分野としては、「工場等(工場又は事務所その他事業場)」、「輸送」、「住宅・建築物」「機械器具など」の4つの分野が規制の対象となります。
また、一定規模以上のエネルギーを使用している事業者は、年に一度エネルギーの使用状況などを定期的に報告しなければなりません。
事業者の省エネの評価基準として“エネルギー消費原単位”を年間平均で1%以上低減しているかという点です。
この評価基準を含め、様々な角度から定期報告の内容を評価し、必要に応じて指導や立ち入り検査などが行われます。
◇トップランナー制度とは?
トップランナー制度とは省エネ法の「第6章 機械器具等に係る措置」に規定されるものになります。
エネルギーを消費する機器等については、その使用段階におけるエネルギー消費の削減と機器等のエネルギー消費効率の向上努力を求めているものであります。
トップランナー制度は「機器等」の製造事業者等に対して課せられた義務であるので、製造事業者が義務の遂行を行う限り消費者は単に機器などを買い替えるだけで省エネルギーが進行されるという効果があります。
最近の取り組みとして
2008年度より「ベンチマーク制度」がスタート致しました。
これは事業者の省エネ状況を業種共通の指標を用いて評価し、各自事業者が目標水準の達成を目指い省エネの取り組みを進めるものです。
ベンチマーク制度の導入により従来の指標(1%以上の低減)だけでは省エネの取り組みを適正に評価されなかった事業者が適正の評価が受けられるようになりましたl。
また、省エネの取り組みを補助金で促進を行っております。
LEDや太陽光、ZEHといった新たな省エネ設備の投資や建設に必要な費用を支援し普及の促進を行っております。
また、中小企業に対して省エネルギー診断等も積極的に行い省エネを促進するための補助事業も行っております。
◇省エネの今後の課題として
今後は事業者単位での省エネだけでなく、事業者間の連携による省エネも促進していくことも重要という指摘があります。
また、中小企業や家庭での省エネの促進をしていく上では、省エネのノウハウを持っている事業者による省エネビジネスも有効な手段として考えられております。
省エネルギーの促進はパリ協定などで話題となっている温室効果ガスの削減の点でも重要なものとなっていますので、今後も日本が世界の省エネを引っ張っていけるような国として積極的な活動に期待したいですね!
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
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