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更新日:2024/09/30
【総まとめ】東京都の中小企業が業務用エアコンに利用できる補助金情報
補助金を使えば、業務用エアコンの設備投資にかかるコストを大幅に削減できます。
国だけではなく、東京都や各自治体でも補助金や助成金を設けているため、ぜひ活用しましょう。
今回は、東京都の中小企業や個人事業主が業務用エアコンの導入に使える、補助金・助成金についてくわしくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
東京都の中小企業が業務用エアコンに利用できる補助金
国と東京都が実施している補助金制度をご紹介します。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金
制度名 | 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(Ⅲ)設備単位型 |
補助対象事業者 | 中小企業等 |
補助対象設備 | 高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具等の省エネ設備 |
補助対象経費 | 設備費のみ |
補助率 | 1/3以内 |
補助金限度額 | 【上限額】1億円/事業全体
【下限額】30万円/事業全体 |
事業期間 | 交付決定日から2025年1月31日(金)まで |
令和6年度申請期間 | 2次公募期間:2024年5月27日(月)~7月1日(月) |
引用:一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、業務用エアコンを含む汎用的な設備の更新に対する補助金です。
SIIが予め定めたエネルギー消費効率などの基準を満たし、登録・公表した設備の導入を支援してくれます。
中間報告書や実績報告書、成果報告書の提出が求められます。
ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業
制度名 | ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業 |
助成対象者 | 1.中小企業等(中小企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人等)
2.上記と共同で事業を実施するリース事業者又はESCO事業者 |
助成対象設備 | 1.省エネ設備の導入
高効率空調設備、全熱交換器、LED照明設備、高効率ボイラー、高効率変圧器、断熱窓、高効率コンプレッサ、高効率冷凍冷蔵設備などの省エネ設備 2.運用改善の実践 人感センサー等の導入、照明スイッチ細分化工事などの運用改善 |
主な助成要件 | 1.中小企業等が都内で所有又は使用する中小規模事業所において、以下のいずれかを行うこと。
(1)事前に省エネ診断を受診し、この提案に基づき、省エネ設備の導入又は運用改善の実践を行うこと。 (2)事業者が自ら計画を作成し、省エネ効果の確認ができる省エネ設備の導入又は運用改善の実践を行うこと。 2.上記1を実施する事業所について、地球温暖化対策報告書を提出すること。 |
助成率及び助成上限額 | ・主な助成要件 1(1)の場合
3分の2(助成上限額2,500万円) ※事業所全体のCO2排出量の削減見込みが50%以上かつエネルギー消費量の削減見込みが50%以上の要件を満たす省エネ設備の導入については、4分の3(助成上限額5,000万円) ・主な助成要件 1(2)の場合 3分の2(助成上限額1,000万円) |
助成対象経費 | 助成事業の実施に要する以下の経費
設計費、設備費、工事費 |
事業期間 | 令和5年度から令和8年度まで(助成金の申請は令和7年度まで) |
事業予算 | 53.4億円 |
「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」は、中小企業などが都内で所有または使用する中小規模事業所のエアコンやLEDなどの省エネ設備を設置する際に、経費の一部を助成してくれる制度です。
補助率の高さが特徴ですが、申請受付期間が短いため早めに申請しましょう。
業務用エアコン導入に利用できる補助金【東京都23区】
東京都では区にも業務用エアコンの導入に利用できる補助金や助成金の制度があります。
- 【千代田区】令和6年度事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成
- 【中央区】事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成
- 【新宿区】令和6年度新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度
- 【台東区】我が社の環境経営推進助成制度(事業所向け)
- 【江東区】(事業所用)地球温暖化防止設備導入助成
- 【北区】再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和6年度)
- 【葛飾区】令和6年度《事業所用》かつしかエコ助成金
【千代田区】令和6年度事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成
制度名 | 令和6年度事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成 |
対象物件 | 事業所ビル
中小企業者のうち 1.区内の既存建物の所有者 2.所有者の承諾を得ている者 |
対象機器 | 空調等 |
助成限度額 | 対象経費【注意1】の20%(上限合計250万円)
【注意1】機器本体(資材費)+工事費 |
申込期間 | 令和7年2月14日(金)まで |
引用:千代田区「令和6年度事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成」
原則として、「東京都地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)」による、省エネルギー診断の受診が必要です。
また、改修前1年・改修後1年の2年間分のエネルギー使用量を記載した実績報告書の提出が求められます。
【北区】再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和6年度)
制度名 | 再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和6年度) |
助成対象者 | 中小企業等 |
対象機器 | エアコンディショナー等 |
助成限度額 | エアコンディショナー:助成対象経費の20%(限度額100万円)
※環境マネジメントシステム認証取得事業所は助成対象経費の30%(限度額150万円) |
申込期間 | 令和7年 2 月 28 日(金)まで(必着)に交付申請を提出
または、令和 7 年 3 月 14 日(金)まで(必着)に工事完了報告書を提出 |
引用:北区「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和6年度)」
工事着工前(原則として7開庁日以上前)に交付申請を行う必要があります。
千代田区と北区の詳細はこちらでも解説しています。
【中央区】事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成
制度名 | 事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成 |
助成対象者 | 区内に事業所を有する中小企業者等(公益法人等の法人も対象) |
対象機器 | エアコンディショナー等 |
助成限度額 | ・一般助成 導入費用の20%(限度額20万円)
・中央エコアクトの取り組みを実施している場合 ブロンズ:導入費用の30%(限度額30万円) シルバー:導入費用の40%(限度額40万円) ゴールド:導入費用の50%(限度額50万円) |
申込期間 | 令和6年4月1日~予算が終わり次第受付終了 |
引用:中央区「事業所用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成」
工事を行う2週間程度前までに申請が必要です。
中央エコアクト(中央区版二酸化炭素排出抑制システム)事業所用の特典を受けた事業所は、助成金額が増額されます。
【新宿区】令和6年度新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度
制度名 | 令和6年度新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度 |
助成対象者 | 区内に事業所を所有又は借り受け、当該事業所に補助対象機器等を設置した中小企業者等 |
対象機器 | 高効率空調設備等 |
助成限度額 | 施工経費(税抜)の50%(上限50万円) |
申込期間 | 令和6年4月15日(月)~令和7年3月31日(月) |
引用:新宿区「令和6年度新宿区省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度」
申請は「施工完了後」です。
業務用エアコンなどの補助対象機器等を施工し、支払いまで完了した後に、必要書類一式を揃えて申請します。
【台東区】我が社の環境経営推進助成制度(事業所向け)
制度名 | 我が社の環境経営推進助成制度(事業所向け) |
助成対象者 | 台東区内の事業者等
※法人事業税又は個人事業税を滞納していないこと |
対象機器 | エアコン等 |
助成限度額 | 更新費用(税抜)の50%(上限75万円) |
申込期間 | 申請総額が予算額に達したため受付終了 |
申請するには省エネ診断を受ける必要があります。
令和6年から8年度までは、助成率・助成額が引き上げられていますが、令和6年度分の受付は終了しました。
【葛飾区】令和6年度《事業所用》かつしかエコ助成金
制度名 | 令和6年度《事業所用》かつしかエコ助成金 |
助成対象者 | 中小企業等 |
対象機器 | 空調設備機器改修等 |
助成限度額 | 空調設備機器改修:助成対象経費の1/4(上限100万円) |
申込期間 | 令和6年4月1日(月曜日)から令和7年3月31日(月曜日)まで【必着】 |
引用:葛飾区「令和6年度 《事業所用》かつしかエコ助成金のご案内」
申し込みしてから承認されるまで3週間ほどかかります。
また、大幅な支払い遅延が発生することもあるため注意が必要です。
補助金を申請する際の注意点
補助金や助成金を申請する際には、5つの注意点があります。
申請方法を間違ってしまうと、補助金や助成金が受け取れないため、申請前にしっかりと確認しましょう。
- 国や自治体によって規定が異なる
- 審査がある
- 複数の制度を併用できない
- 補助金を受け取れるまでにタイムラグがある
- 手続きがややこしい
それぞれ解説します。
国や自治体によって規定が異なる
補助金申請に関する規定は、国や自治体によって大きく異なります。
補助金の割合や上限金額、申請方法や申請時期などそれぞれ異なるため、申請する前に十分に確認しなければなりません。
多くの自治体では、あらかじめ予算が設けられており、申請総額が予算額に達すると、申請期間内であっても受付を終了します。
また、申請するタイミングも、施行前であることがほとんどです。
ただし、新宿区のように施工後に申請する自治体もあり、規定は統一されていません。
業務用エアコンの導入や買い換えを検討している場合は、早めに自治体のホームページをチェックしておきましょう。
審査がある
申請をしたからといって、必ず補助金が受け取れるわけではありません。
申請して審査をパスして初めて、補助金を受け取れます。
必要な申請書類を担当窓口に持参したり、郵送やメールで送ったりすると、提出された書類をもとに審査が行われます。
その後、審査の可否が報告される仕組みです。
申請が受理されるまでに日数がかかるだけではなく、申請が却下される可能性があることを覚えておきましょう。
複数の制度を併用できない
補助金や助成金の中には、併用できるものと併用できないものがあります。
募集要項で併用が禁止されていない場合は併用できますが、多くの補助金は併用できません。
使いたい補助金が複数ある場合は、より有利なものを選びましょう。
補助金を受け取れるまでにタイムラグがある
多くの補助金は、先に費用を支払って施工し、完了を報告してから入金されます。
一度は費用を全額負担する必要があり、制度や自治体によっては、受け取るまでに1年以上かかる場合もあります。
補助金はあくまでも部分的な補助ですので、資金計画は余裕を持って立てましょう。
手続きがややこしい
補助金を申請するには、さまざまな書類や手続きが必要です。
自治体のホームページでは、補助金の対象となる事業者や設備、申請に必要な手続きや書類などが記載されていますが、難しい用語が多くわかりにくいため、申請をあきらめる人も少なくありません。
近頃では、申請をサポートする業者なども増えていますので、申請が難しいと感じたら依頼も検討してみましょう。
まとめ
中小企業や個人事業主が業務用エアコンの導入で利用できる、国・東京都・区の補助金をご紹介しました。
以前より、世界規模で省エネや脱炭素に取り組んでおり、日本でも国を挙げて推進しています。
東京都をはじめとした全国の自治体では、補助金や助成金の制度を積極的に実施していますので、ぜひチェックしてみてください。