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太陽光発電でBCP対策!企業が知っておくべきメリットと事例
企業においてBCP対策の重要性が高まっています。
しかし、実際にはどのような対策をすればいいのか迷っている企業も多いのではないでしょうか。
おすすめなのが太陽光発電によるBCP対策の導入です。
太陽光発電を導入することで停電中であっても電力を供給できることから、通常業務へのリスクを最小限にしながら復旧工事が可能です。
特に近年は、IT技術やDXなどの導入によってさまざまな業務をコンピューターで管理しているケースが増えています。
そのため、停電が起こってしまうと業務を一時的でも止めないといけない場合があります。
さらに、太陽光発電を導入することで、コスト削減や地域への貢献、脱炭素への取り組みなどさまざまなメリットがあります。
本記事では、太陽光発電導入によるメリットと事例について詳しく解説していきます。
Contents
BCP対策とは
BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)とは、台風や地震などの自然災害、火災そのほかテロ攻撃などの緊急自体で被害を最小限にして事業を早期復旧して継続するための計画です。
緊急事態は想定できない状態で発生するため、前もって準備することが重要です。
準備が十分でなければ、売り上げの減少または倒産につながる可能性があります。
BCP対策をすることで継続的に事業を続けるほか、ステークホルダーや社会から企業が評価されることもあるでしょう。
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、4000社以上の企業が深刻な損害を受けています。
また同地方では、大きな規模の地震が続けて発生しています。
このように、日本ではいつどこで大きな自然災害が発生するかわかりません。
そのため、BCP対策は必要不可欠なのです。
BCP対策における太陽光発電
BCP対策を目的として太陽光発電を導入することで、次のことが可能です。
- 経営リスクの低減
- 地域への貢献
- 通信手段としての電力を確保
経営リスクの低減
太陽光発電を活用することで経営リスクを低減できる場合があります。
近年、DX化やIT技術の導入が進み停電をしてしまうと例え短期間であっても企業はさまざまな課題が発生するため注意が必要です。
例えば、顧客がWebサイトやシステムなどにログインできないことによる売り上げ減少や、管理システムが使えないことによる業務の遅れなどが考えられます。
BCP対策を目的として太陽光充電を導入することで、たとえ停電中であっても蓄電池と併設することで電力を供給できます。
そのため、事業を継続しながら復旧作業を行うことが可能です。
このため、太陽光発電を導入することで経営リスクの低減が可能です。
地域への貢献
太陽光システムで電気を発電してBCP対策をすることで、地域住民に電気を提供できることから地域貢献ができます。
例えば、寒い地域で冬に大きな災害が起こってしまい停電が発生すると多くの人が体調を崩す可能性があります。
そこで事務所を避難場所として開放することで地域住民に必要な電力を提供できるのです。
太陽光発電を使ってのBCP対策は、地域に貢献することにつながります。
通信手段としての電力を確保
通信手段の確保にも、太陽光発電を使ったBCP対策が効果的です。
災害時に必要不可欠なのは、外部との通信手段を確保することです。
電話やインターネットを使った連絡など災害が起きていない時よりも利用数が増えます。
そのため、完全に復旧するまで通信をするための予備電力を確保することが必要です。
太陽光発電で自家発電してBCP対策をすることで電力を蓄積でき、蓄電池と併用することで通信手段としての電力を確保できます。
BCP対策以外の太陽光発電導入によるメリット
太陽光発電の導入は BCP 対策だけではありません。
企業にとって 次のようなメリットが期待できます。
- コスト削減ができる
- カーボンニュートラルへの取り組み
- 経営強化税制の対象である
- 価格低減促進事業の対象である
コスト削減ができる
太陽光発電を導入してBCP対策に取り組むことで通常の電気代を削減することにつながり、 経営上において大きなメリットにつながります。
自社で電力を発電して自家消費することになり、電力会社から購入する電力量が減り電気料金の負担を減らすことが可能です。
特に日中の電力消費量が多い企業では、太陽光発電のメリットが大きいことになります。
日照時間が長くなれば発電量が増えることになり、電気料金をより削減できるようになるでしょう。
そのため、コスト削減においても太陽光発電を使ったBCP対策が効果的です。
カーボンニュートラルへの取り組み
太陽光発電を導入してBCP対策に取り組むことによってCO2排出量を削減することが可能です。
政府では2050年までに温室効果ガスの排出を0にするといったカーボンニュートラルを目標にすることを宣言しています。
カーボンニュートラルとは二酸化炭素を始めとした温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引いたものをゼロにするといった取り組みです。
太陽光発電によるBCP対策によって日頃から二酸化炭素の排出を減らすことができ、結果的にカーボンニュートラルへの取り組みにつながります。
経営強化税制の対象である
太陽光発電によるBCP対策は経営強化税制の対象です。
2023年4月に税制改正関連法が成立したことによって、2024年度まで経営強化税制が延長されたためです。
設備投資を導入する中小企業が7%(10%)もしくは設備取得額の即時償却の税額控除ができます。
適用する割合 | 法人の資本金規模 |
7% | 3,000万円超1億円以下 |
10% | 3,000万円以下 |
対象となるのは、中小企業で次の条件を満たしていることが必要です。
- 1億円以下の資本金
- 常駐している従業員が1,000人以下
- 協同組合など
また、対象となるのは次の太陽光発電設備です。
- 自家消費型太陽光発電設備
- 50%異常を自家消費している余剰売電型太陽光発電設備
税制面においても、太陽光発電でのBCP対策は企業にメリットがあります。
▼太陽光発電の節税に関しては下記記事で詳しく解説しています。
価格低減促進事業の対象である
環境省では、屋根の活用をはじめとした自家消費型の太陽光発電設備を支援する事業を実施しています。
太陽光発電設備や蓄電池の価格低減の支援をすることで、脱炭素化や防災性の向上が目的です。
このため、太陽光発電でのBCP対策は補助事業者の対象となります。
BCP対策として太陽光発電導入の注意点
太陽光発電の導入には、BCP対策をしてさまざまなメリットがあります。
しかし、次のような注意点もあるので把握してから導入するようにしましょう。
- 停電対応には蓄電池が必要である
- 導入する設備を周知する
- 太陽光発電では十分な電力を供給できない場合がある
- 費用対効果を考える
停電対応には蓄電池が必要である
太陽光発電によるBCP対策を進めることで、停電対策が可能です。
しかし、長期間の停電には太陽光発電だけでは十分ではありません。
そこで、蓄電池と併用して停電対策をすることが一般的です。
日照時間に太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に蓄積しておくことで、日が照っていない夜間や雨の日でも電気を供給できます。
産業用の蓄電池は太陽光パネルと同時に設置することで、太陽がでていれば半永久的に電力を貯めることが可能です。
そのため、BCP対策で太陽光発電の導入を検討する場合は、蓄電池の導入も進めるとよいでしょう。
導入する設備を周知する
BCP対策は非常事態に冷静に対処できなければ意味がありません。
そのため、導入した太陽光発電を全従業員が使いこなすことが必要です。
大切な時に使いこなせなければ、対策をしている意味がなくなってしまいます。
機器の使い方以外に、太陽光発電システムが1日にどれほどの電力を蓄積でき停電対策ができるかを確認しておくようにしましょう。
もし、停電対策が十分でなければ見直す必要があります。
太陽光発電では十分な電力を供給できない場合がある
太陽光発電と畜電池で貯める電力だけのBCP対策では、大規模な施設の停電対策にはならない可能性があります。
太陽光パネルを追加することでより多くの電力を貯めておけますが、予算が高額となってしまうため注意が必要です。
導入前に必要な電力と、太陽光パネルや畜電池で貯められる電力を比較してコストパフォーマンスが良いかどうかを把握するようにしましょう。
費用対効果を考える
太陽光発電や畜電池を使ったBCP対策は、さまざまな設備設置が必要になることからコストがかかります。数十万から数百万かかることもあるでしょう。
太陽光発電の活用により、日常の電気代が安くなるケースもありますが、初期コストがかかるため十分に確認が必要です。
また、メンテナンス費用も発生するため複数の業者から見積もりをとって比較をするようにしましょう。
また、太陽光発電について十分な知識や経験を持った業者を選ぶことも重要です。
特に、発電量や設置前の調査などは専門業者でないと十分な対応はできません。
効率よく太陽光発電によるBCP対策を導入するためにも、費用対効果を考えることは重要です。
太陽光発電をBCP対策に導入している事例
それでは、実際に太陽光発電をBCP対策に導入している事例を見ていきましょう。
それぞれの企業が太陽光発電を工夫して活用していることがわかります。
ここでは、次の企業の導入例を紹介します。
- 新京成電鉄
- 日本興運株式会社 中央物流センター
それぞれの事例について詳しく説明していきましょう。
新京成電鉄
新京成電鉄では、太陽光発電と電気自動車を組み合わせた給電システムを導入することでBCP対策を行っています。
給電システムを活用することで、地震や台風などで停電した場合でも鉄道やバスを少しでも早く復旧できるようにすることが可能です。
鉄道やバスを走らせるだけでなく、通信や照明などにも活用でき停電が数日続いても通常通りに運用できるようになりました。
参照:新京成電鉄
日本興運株式会社 中央物流センター
日本興運株式会社は、温室効果ガスの排出抑制や事業継続性を向上させるために太陽光発電と蓄電池によるBCP対策を設定しました。
再生可能エネルギーを発電することで温室効果ガスの排出量を減らすことに成功したほか、停電でも物流センターの運営を止める必要がなくなったのです。
運営がスムーズになり顧客満足度向上につながったほか、環境に配慮していることから企業イメージの向上にもつながっています。
まとめ
太陽光発電は、BCP対策として有効な手段であり、企業に多くのメリットをもたらします。
停電時の電力供給、コスト削減、環境への貢献など、その効果は多岐にわたります。
エネトクでは、豊富な実績とノウハウを持ち、企業のBCP対策をサポートしています。
導入をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。