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更新日:2024/06/18
【図解あり】デマンド値とは?初心者でも分かるように解説
高圧電力を契約中の方は「デマンド値」について知っておかなくてはいけません。
デマンド値とは30分間の消費電力の平均値で、基本料金に関わってきます。
デマンド値を理解し、電気の使い方を気をつけることでデマンド値を抑え、電気料金を下げることにも繋がっていきます。
ということで今回はデマンド値について詳しくご説明します!
Contents
デマンド値とは?
デマンド値とは、デマンド時限すなわち、30分間という区切られた時間での平均使用電力(kW)のことです。
高圧契約の方は電力会社が30分最大需要電力計(デマンド計)の組み込まれた電子式電力計を取りつけて計測しています。
ここでの30分とは、毎時の0分~30分、30分~60分までの間を指します。
例えば、前半15分が210kW、後半15分が150kWだった場合、平均となりますのでここでのデマンド値は180kWとなります。
30分を1コマとすると、1日24時間の中に48コマあることになります。
さらに1か月(30日間)の中では1,440コマ(48コマ×30日間)となります。
そして1か月間の中で、最も高かったデマンド値が、その月の最大デマンド値(最大需要電力)ということになります。
※電気明細書に最大需要電力○○○kWと記載がございますのでご確認してみてください。
この「最大デマンド値」は電力会社が基本料金を決定する契約電力と関係しています。
最大デマンド値で契約電力が決まる
直近1年間の最大デマンド値で契約電力、基本料金が決まります。
ここで高圧電力の電気料金の計算式を振り返っておきましょう。
電気料金(全体)
基本料金 + 電力量料金 + 燃料費調整額 +再生可能エネルギー発電促進賦課金
基本料金
契約電力(最大デマンド値) × 単価 × 力率割引
契約電力は「実量制」により決定される契約電力をもとに算出されます。
※実量制は契約電力が500kW未満が対象です。
実量制とは、直近12ヵ月(当月を含む)のうち最も高かった最大デマンド値により契約が決定する方法です。
お客様に必要な電力をいつでも電力会社が供給できるように、直近1年で最大の電力使用を契約電力としています。
家庭でよく使う低圧とは異なる点がありますので、低圧との違いは下記記事で解説しています。
関連記事:【初心者向け】「低圧」と「高圧」の違い、契約を見分けるポイントを解説
最大デマンド値(契約電力)を図解で解説
以下のグラフを例とすると2022年3月時点、直近12ヶ月で最も高い値は2021年8月の180kWです。
そうすると、2022年3月時点での契約電力は180kWとなります。
そこから1年間、現在の契約デマンド(180kW)を上回ることがなかった場合、2022年8月時点の契約電力は直近12ヶ月(当月を含む)の最も高い値となり、2022年2月の175kWとなります。
デマンド値を抑えるには
設備の同時稼働を減らす努力をすることがデマンド値の抑制に繋がります。
高圧電力は、たった30分間という短い時間の使用電力量の平均で1年間の基本料金が決定してしまいます。
例えば、 夏場の暑い時期や冬場の寒い時期、エアコンを一斉に稼働させることでデマンド値は一気に跳ね上がります。
そのため最大デマンド値が8月や2月にピークとなる方が多くいます。
他にも工場や物流倉庫であれば機械を稼働させるタイミングが重なった場合にデマンドは上昇します。
つまり、デマンド値を抑えるためには同時に稼働させるのを控えることがポイントです。
ただ単に使用量を減らすことを考えがちですが、30分のピーク値を抑えることも併せて重要となってきます。
デマンド値の上昇をうまく抑えることができれば電気料金削減が実現します。
しかし、自分たちではデマンド値がいつ上昇しているかなどまでは把握することができないため、デマンド監視システムやEMS(エネルギーマネジメントシステム)といった見える化システムの導入が進んでいます。
まとめ
今回はデマンド値について解説しました。
毎月の電気代の基本料金を削減するためには、自社のデマンド値を把握することが重要です。
夏や冬の電力を多く使う時期は、デマンド値が上昇しないために、設備を同時に稼働を避けるなど電気の使い方の工夫が電気料金削減に繋がります。
設備の使用時間帯を事前に調整することが難しい場合には監視システム設置も検討してみましょう。
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