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省エネNEWS

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更新日:2024/07/19

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?メリットや種類まで徹底解説

エネトク編集部

エネトクは全国15,000件以上の法人様に省エネ・コスト削減の支援実績があります。あらゆる業種に対応できる専門性高いコンサルタントがエネルギーコストにまつわる様々なお悩みに合わせて、省エネのフルサポートをおこなっています。

工場やビルなどの施設では電力や燃料など様々なエネルギーが空調設備や衛生設備、照明設備、生産設備等で消費されています。

ただ、そのエネルギーが「いつ、どこで、何が、どれくらい」消費されているかを把握している事業者は多くありません。 

エネルギーマネジメントシステムを導入すれば、そのようなエネルギーの使用状況を定量的に把握できるようになり、様々なメリットを得ることができます。 

この記事では、エネルギーマネジメントシステムについて概要からメリット・デメリット、導入に活用できる補助金などについてご紹介します。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは 

エネルギーマネジメントシステムとは、そのような施設全体のエネルギー使用状況を把握・分析することで最適な設備運用を実現するためのシステムを言います。 

英語表記「Energy Management System」の頭文字から「EMS」と一般的に呼ばれています。

この記事では以降、エネルギーマネジメントシステムを「EMS」と表記します。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の目的 

EMSの目的は、施設全体のエネルギー使用状況を把握・分析し、設備運用を最適化することで「工場操業や施設運営に可能な限り影響を出さず、大きな省エネ・省コスト効果を創出すること」です。 

EMSを導入することで各設備の稼働状況を「年別・月別・日別・時間別」に把握できる(見える化)ため、どの設備を運用改善または投資改善すべきか具体的に検討することができます。

また、設備稼働状況の傾向をつかみ、故障の前兆を把握することも可能となります。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の重要性 

EMSはエネルギー使用状況の見える化や運用・投資改善によるランニングコスト削減を実現すること以外にも重要な面があります。 

それは、企業競争力向上につながる点です。

政府が2020年に掲げた2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする「カーボンニュートラル」により各企業で脱炭素に向けた動きが加速しています。

「カーボンニュートラル」に向けたサステナブルな取り組みを意識しない企業はステークホルダーからの評価を落とす可能性があります。

大企業では既に取引先(スコープ3)に対して、省CO2に対する具体的目標や施策を掲げることを要求し始めています。

EMSを導入し、エネルギーの見える化・運用改善による省エネ・省CO2は「カーボンニュートラル」への取り組みとして評価される技術の一つです。

同業他社と差別化を図り競争力向上を図るためにも、EMS導入は大きな意義をもつと言えます。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の種類 

EMSは、管理対象施設によりいくつかの種類があります。

今回は代表的な4つをご紹介します。 

BEMS 

オフィスビルや学校、商業施設などに導入するEMSのことを「BEMS」と呼びます。 

「Building Energy Management System」の頭文字から「BEMS」と表記されます。 

空調設備や給湯設備、照明設備、太陽光発電設備などが主な把握対象となります。 

HEMS 

自宅など家庭に導入するEMSのことを「HEMS」と呼びます。 

「Home Energy Management System」の頭文字から「HEMS」と表記されます。 

家電や照明設備、太陽光発電設備などが主な把握対象となります。 

政府は2030年までに全世帯へのHEMS導入を目標としており、国から補助金を出るなど今後ますます普及していくEMSです。 

FEMS 

工場に導入するEMSのことを「FEMS」と呼びます。 

「Factory Energy Management System」の頭文字から「FEMS」と表記されます。 

生産設備や空調設備、照明設備、太陽光発電設備などが主な把握対象となります。 

CEMS 

地域に導入するEMSのことを「CEMS」と呼びます。 

Community Energy Management System」の頭文字から「CEMS」と表記されます。 

CEMSは複数の建物や施設、地域全体でのエネルギー使用量を管理・最適化するため、BEMS、HEMS、FEMSなど個々の施設でのEMSを束ねて地域全体でエネルギー管理(主に電力需給)するシステムです。 

CEMSは発電所と需要場所の電力需給調整をするスマートグリッドには必要不可欠な技術になります。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)のメリット 

これまでEMSの目的や重要性、種類について解説してきましたが、具体的な導入メリットについて説明します。 

運用変更による省エネ・省CO2 

エネルギー消費設備の運用状況を把握できることで効率的な運用を実現できます。

例えば電気式空調機3台、稼働率40%で運用するより、空調機2台(1台休止)、稼働率60%で運用した場合、空調機の効率(COP)が上がるため消費電力量の低減につながります※。 

また、「空調機の切り忘れによるムダ」や「生産設備の待機電力や待機時間の削減」など省エネ・省コストにつながる施策を講じることができます。 

※3台とも同じエリア・居室を空調している場合を想定しています。 

空調機の効率(部分負荷特性)についてはマルチパッケージ型空調機における 実運用時平均部分負荷特性の抽出方法に関する研究を参考にしています。 

設備の同時稼働抑制等による省コスト 

電力会社から高圧供給されている需要家は、一年間で最も大きい需要電力の値(最大需要 電力)で契約電力が定まり、電気料金の一部である基本料金が算定されます。

EMSを導入することで最大需要電力の発生時刻及びどの設備がどれくらい稼働していたかを把握することができます。

運用変更により設備の同時稼働の抑制や出力抑制することで消費電力を低減した場合、基本料金を低減(=電気料金の低減)させることができます。 

エネルギー消費設備の修繕コスト削減 

エネルギー消費設備の運用状況を把握できることで効率的な運用を実現できます。

例えば(1)の例で示した空調機の運用変更について稼働台数を3台から2台へ変更した場合、1台休止させることができます。

それにより空調設備の劣化を遅らせ、修繕費を低減させることが期待できます。 

また、冒頭に述べた通り、設備の消費電力など稼働状況を長期的にモニタリングすることで、異常の早期発見(著しく消費電力が落ちている、頻繁に発停を繰り返す等)、予防保全といった対策を講じることができます。 

ディマンドリスポンスによる成果報酬 

電力会社等のDR(ディマンドリスポンス※)メニューに加入し、需要抑制することで電気料金が割引(又は報酬が得られる)されることがあります。

要請を受けてからEMSにて各設備の稼働状況を抑えることで、その抑制量に応じた報酬を得ることができます。 

※ ディマンドリスポンスとは電力使用量を意図的に制御し、電力の需給バランスを調整するための仕組みです。一部の電力会社では電力需要がひっ迫するときに、空調や生産設備を稼働調整し、電力使用量を低減に協力した需要家に報酬を還元するメニューがあります。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)のデメリット 

EMSの導入により企業競争力の向上や省エネ・省コスト効果が期待できるなどメリットを多数紹介しましたが、以下のようなデメリットもあります。 

大きな初期投資 

EMS導入には初期投資が必要です。

対象とする設備の種類や計測点数、自動制御を有するか否かなどの仕様で費用は大きく変動しますが、決して安価なシステムではありません。

また、計測対象とする設備の制御可否や設備容量については入念に検討する必要があります(せっかく計測しても制御できない設備だった、計測した設備容量が小さく、運用改善・投資改善効果が小さかった、ということでは当初の目的を果たせません)。 

分析・省エネ対策検討には専門知識が必要 

EMSは導入して終わりではありません。導入後に対象設備の使用状況を分析し、運用改善や投資改善しなければ、せっかくのシステムも意味がありません。

取得したEMSデータをもとに具体的かつ継続性がある省エネ対策を検討するには専門知識が必要になります。 

などを検討したうえで、優先順位などを決める必要があります。 

なお、どの設備のエネルギー使用状況を把握すべきか、または導入したEMSデータをより詳細に分析する方法は下記2通りです。 

1つ目は、知識取得に長時間要する場合がありますが、取得後は自社リソースとして活用し続けることができます。

2つ目は有料診断になりますが、比較的短期間で効果的な省エネ対策を知ることができます。 

ランニングコスト(クラウド料金)が必要になる場合がある 

EMSデータをクラウド上に保存するシステムの場合は、初期投資の他にランニングコストが必要になる場合があります。 

設備の稼働状況をクラウドで監視できる、設備トラブルをメール発報などでリアルタイムに把握できる、データ抽出をどの端末でも利用できる、複数人で同時にデータ管理ができる利便性がある一方でシステム利用料金が必要になります。 

ただ、リアルタイムでのデータ把握が不要の場合は、EMS装置本体にデータを記録、またはSDカードにデータ保存できるものをお勧めします。

対象設備や分析頻度、DRリソース対象とするか否かで仕様を決めることで、EMS導入の失敗を避けることができます。 

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入事例 

ここからはエネルギーマネジメントシステムの導入事例を紹介します。

【福島スバル自動車株式会社】無理なくコスト削減に成功

【福島スバル自動車株式会社】無理なくコスト削減に成功

企業HP:https://www.fukushima-subaru.co.jp/

福島スバル自動車株式会社は、以前から省エネ活動に取り組んでいたものの、従業員の手で行うことに限界を感じていました。

電力の見える化と人手の不要な空調自動制御を特長とするEM CLOUDを導入したことで電気料金を10%削減することに成功し、さらに、従業員に電力の使用状況を共有することができるようになったため、社内の省エネ意識も向上しました。

詳しくはこちら

【学校法人早稲田大学】見える化により省エネ意識向上

学校法人早稲田大学

企業HP:https://www.waseda.jp/top/

早稲田大学では、カーボンニュートラル実現に向けた様々な取り組みを行っている中、特にキャンパスのカーボンニュートラル達成に向けて、キャンパスの電力使用量を「見える化」することで省エネへの意識を向上させることを目的に、エネルギーマネジメントシステムの見える化をしています。

詳しくはこちら

エネルギーマネジメントシステム「EM CLOUD」


省エネやエネルギーの見える化、SDGsや脱炭素への取り組みを進めるな「EM CLOUD」がおすすめです。

EM CLOUDでは省エネ効果を上げるための以下のような機能が備わっています。

また、今後ガスや水道の見える化などの機能も拡張予定で、光熱費全体が見えるようになります。
「どんなサービスか知りたい」という方はまずは資料を確認してみてください。

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まとめ

今回はエネルギーマネジメントシステムを解説しました。

エネルギーマネジメントシステムはコスト削減、エネルギーの最適化といった多くのメリットがあります。

ただ、導入費用が高いネックがあります。

エネトクでは、初期導入費用を軽減したエネルギーマネジメントシステム「EM CLOUD」を提供しています。

エネルギーマネジメントシステムの導入を検討している方はぜひ一度ご相談ください。

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