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更新日:2024/03/07

キュービクル(高圧受電設備)とは?仕組みや導入のメリット、注意点について解説

エネトク編集部

エネトクは全国15,000件以上の多種多様な法人様に省エネ・コスト削減の提供実績があります。事業用太陽光発電においてはシミュレーション・提案・補助金申請・設置工事までワンストップで実施。専門コンサルタントが屋根補修や電気工事など、様々なお悩みに対応し、省エネのフルサポートをおこなっています。

コンビニの駐車場や工場、建物の屋上に、「変電設備」と書かれた大きいロッカーのような箱が設置されているのを見たことがある方は多いと思います。

この箱の名称はキュービクルです。

キュービクルは、発電所から送られてきた6,600Vの電気を100Vや200Vに変圧する役割があります。

高圧・業務用電力を契約している事業者は、このキュービクルを設置する必要がありますが、導入前と導入後で把握しておかなければいけない点があります。

今回はキュービクルの基本知識、導入のメリット・注意点を徹底解説します。
キュービクル導入を検討している方や、キュービクルの必要性に疑問を感じている方はぜひ参考にしてみてください。

キュービクル(高圧受電設備)とは

キュービクル
正式には、キュービクル式高圧受電設備といい、6,600ボルトの高圧電力を受電し、キュービクル内で100ボルトや200ボルトに変圧する機器を金属製の箱(筐体)に収めたものを指します。

なお、キュービクルは厳密には機器の設置・収納方法の種類のひとつを指し、電気室などで金属のフレームに取り付ける形で設置されるものは「開放型」、金属製の箱の中に必要な機器を一括で収めたものは「閉鎖型」または「キュービクル式」と呼ばれています。

キュービクルの中には、発電所から送られてくる高電圧の電気を受け入れて、変圧し、各機器に配電するための重要な機器がたくさん収められています。

変圧器はもちろん、断路器・負荷開閉器・遮断機など回路の開閉などを行う機器、保護装置、電圧や電流などの測定・表示を行う計器類、コンデンサなどによって構成されています。

これらの機器が丈夫な箱に収容されているため、感電や停電といったトラブルを防止することにもつながっています。

キュービクル式高圧受電設備は、電力会社との電気供給契約が50kW以上、つまり電気をたくさん使う施設で受電するときに必要になる設備のひとつです。

商業施設や工場、オフィスビル、病院や学校など様々な建物で使われており、設置場所は主に駐車場や屋上に置かれています。

高圧電力の契約については、【今さら聞けない】高圧電力の電気代はどういう仕組みになっているの?基本や計算方法、安くする3つのコツを解説の記事でご覧ください。

法定耐用年数はどれくらい?

キュービクル(高圧受電設備)の耐用年数は15年前後と法律で決められています。

キュービクルを設置した場合、償却資産として申告の対象となります。

耐用年数はどんな用途に使用されるかによって異なり、製造に使用される場合は「機械・装置」に分類され、その業種の製造業の耐用年数が適用されます。また事務所などの場合は「建物附属設備」の「電気設備(照明設備を含む)」「その他のもの」に該当となります。

また、劣化による事故を防ぐためには部品の交換や更新が必要となってきます。
キュービクルの工事・維持・運用については電気事業法により定められており、設置者が自己責任において保安規程を作成すること、

電気主任技術者を選任すること、電気の保安を確保することが義務付けられています。

キュービクル(高圧受電設備)を導入するメリット

キュービクルを導入するメリット
数ある受変電設備の中でも、キュービクル式高圧受電設備を導入するメリットは次のようなものがあります。

順番に解説します。

高い安全性

金属製の箱(筐体)に機器を収納するため、充電部などがむき出しにならず、小動物などの侵入を防げることから、感電・停電といったトラブルの発生を防止します。

また、屋外に設置する場合は、開放形に比べて風雨や外気、日射の影響を少なくできるため、耐環境性にも優れています。

電気料金を安く抑えられる

キュービクルを設置することで、電力会社のトランスを通さずに自社で電気を管理することになります。

そのため、高圧電力は低圧電力に比べて電気料金単価が割安に設定されており、電気料金を安く抑えることができます。

高圧電力契約=契約電力が50キロワット以上(目安)、低圧電力契約=契約電力が50キロワット未満(目安)

低圧電力と高圧電力の違いについては【初心者向け】「低圧」と「高圧」の違い、契約を見分けるポイントを解説でまとめています。

最近では、これを利用して既存のマンションにキュービクルを追加で設置し、低圧から高圧の契約に変更することで電気代を下げるケースもあります。
しかし、昨今では電気代が高騰しており、高圧電力の単価も上昇しているのでキュービクルを導入したことで逆に高くなってしまうケースもあります。

契約している電力会社のプランや、使用状況を確認した上で導入を検討する必要があります。

設置が容易

キュービクルは工場で完成したものを出荷時(運搬)に1~3面毎に分割します。

現地への搬入~据付後に分割箇所の配線接続をすることで完成品となるため、現地で機器設置、機器間配線、組立をする開放形よりも工期が短縮できます。

また、キュービクル式高圧受電設備はコンパクトな筐体に機器を収納しているため、駐車場や屋上などの比較的狭い場所にも設置することが可能です。

そのため、建物や土地にかかるコストを削減、1ヶ所にまとまっていることで定期的な保守点検作業も簡単でメンテナンス性に優れていると言えます。

キュービクル(高圧受電設備)導入時の注意点

キュービクル導入時に気を付けたい注意点
キュービクル導入にあたって注意しなければならない点があります。

順番に解説します。

キュービクル設置後の保守点検は義務

キュービクルを設置した後は、1~2ヶ月ごとの保守点検と年1回の年次点検が義務付けられています。

保守点検時のメンテナンスが簡単というメリットはありますが、電気主任技術者の資格を持った業者に委託する必要があります。

この保守点検には自社で電気主任技術者が行うか、保安協会や管理会社と契約をし、月数万円の保守契約料を支払って点検を受けなければなりません。
電気主任技術者を雇うには相当な人件費がかかるため、多くの事業者は外部委託で保守点検を行うことが多いです。

導入時の費用ではなく、毎月の保守料もかかることを把握しておきましょう。

内蔵機器の大きさの制限

キュービクルは必要な機器をコンパクトに収納することには優れていますが、大きな機器の収納には限界があります。

一般的には1,000kVAを超える大形の変圧器の収納は困難です。

拡張性を考慮した設計が必要

キュービクル式高圧受電設備は一度設計すると、設備を拡張する場合に大きなコストと時間がかかってしまいます。そのため、下記の点を確認する必要があります。

導入時には上記の点を想定して検討しましょう。

まとめ

電気をたくさん使う施設では、必要不可欠な設備であるキュービクル。

キュービクルを販売しているメーカーは多数ありますが、建物の用途や設置場所によって設備が大きく変わるため、大規模施設では建築物ごとに特注となる場合があります。

小・中規模の施設では、既製品や標準設計品を選ぶことが可能なので、初期コストを抑えることが可能です。

キュービクルの設置費用や保守点検のコストは別途必要になりますが、毎月の電気料金が抑えられるため長い目で見れば経済的でお得といえるでしょう。

月々の電気使用量が多い事業所であれば、高圧受電契約への切り替えと合わせてキュービクルを活用してみてはいかがでしょうか。

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