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更新日:2024/11/20
【プロが教える】コインランドリーでオススメの省エネ方法を大公開!
コインランドリーは個人事業主、フランチャイズどちらの方式も増加傾向にあり、その数を増やしてきています。
ただ、ビジネスとして店舗を展開していくにはもちろんコスト面の課題に取り組まなければいけません。
特にコインランドリーの場合は電気と水を大量に使用するため省エネ効果は非常に大きなものが期待できます。
そこでここではコインランドリーの省エネについて紹介していきたいと思います。
Contents
コインランドリーの省エネの現状や必要なコスト
コインランドリーの省エネを考えていくためには、まずどういったものがコストとしてかかっているのかということを考える必要があります。
そこでここでは省エネの現状、課題、運営していくのに必要なコストについて紹介していきます。
開店する際の初期費用
コインランドリーを開店して運営していく際には初期費用がかかってきます。
土地代や建物代は購入なのか賃貸なのか、都心なのか郊外なのかにもよりますので一律には言えません。
建物関係以外でまず絶対に必要となるのは「洗濯機」「乾燥機」です。
どれくらいの規模の店舗なのか、何台設置するのか、どういった性能の機械を設置するのかということによっても違ってきますが、10坪程度の店舗であればこれらの機械代だけで約1000万円となっています。
その他に設置工事と合わせて給排水工事を行う必要があります。
コインランドリーでは「水」は非常に重要な要素となるため、この工事が必要となるのです。
電気工事も行います。
それに加えて、店の内装費や細かい備品などを合わせたものが基本的な費用となってきます。
小規模の店舗であれば、一般的に2,000~3,000万円ほどが相場となっています。
個人事業主であれば以上のものとなりますが、フランチャイズの場合は加盟金が必要となる場合があります。
これも事前に考えておく必要があります。
この初期費用の時点では省エネ対策を行うことはあまりありません。
後で紹介するような省エネ設備などをこの時点で設置する場合のみ初期費用に含まれてきます。
ランニングコストと省エネを行うことができる部分
コインランドリーを運営していくためにはランニングコストがかかってきます。
まず大きいのが「光熱費」です。
洗濯機や乾燥機を動かす電気代、洗濯をするのに使用される大量の水、使用する水を加熱するための電気代などがこれに当たります。
この部分の金額がもっとも大きな割合となりますので、この部分でコストカットしていくことが「省エネ」「節電」「コスト削減」に影響してくることとなります。
次に「家賃」と「フランチャイズ関係費」です。
自宅を改造してコインランドリーにしている、所有している建物であるといったものでない限りは家賃がかかってきます。
当然ですが、広い敷地、都心部になるほど高額な家賃がかかってくることとなります。
また、個人事業主ではなくフランチャイズに加盟している場合はそちらにも納めるお金が必要となってきます。
この部分については省エネを行うことはあまりできません。
その他には洗剤や掃除用品といった消耗品などの雑費がかかってきます。
コインランドリーで省エネが必要とされる背景
どの業種についても言えることですが、「省エネ」「環境保全」はあらゆる企業の課題と言えます。
コインランドリーではその業種に関係して「水」と「電気」がそれに関係してきます。
まず「水」についてですが、コインランドリーの洗濯機1台が使用する水量は年間約51,000ℓと言われています。
こうした大量の水を使用するコインランドリーだけにエネルギー効率の高い洗濯機を使う、といった取り組みが必要とされているのです。
また、洗濯に使用される洗剤についても市販されている洗剤や柔軟剤の中には有害な化学物質が含まれているものもあります。
こうした有害物質を含んだ排水を大量に流すということは環境破壊にもつながります。
コインランドリーを運営していく際には環境のことを考えた洗剤や柔軟剤を使用していくことが重要だと言えるでしょう。
「電気」については省エネの中心となっていくため、個別に紹介をしていきます。
コインランドリーでオススメの省エネ方法を大公開
コインランドリーで効果的な省エネ方法は以下があります。
- 照明や空調設備を見直していく
- 自家消費型太陽光発電システムを利用する
- 電子ブレーカーを利用する
順番に解説します。
照明や空調設備を見直していく
使用電力を抑えていくためには店舗で使用する電球を蛍光灯ではなくLEDにするということが考えられます。
コインランドリーは営業形態が24時間営業という店舗もありますし、防犯上の面から電気を多く付けているということもあります。
直観蛍光灯は40wですが、直管系LEDランプは15wほどですので6割ほどの電力をカットすることができます。
さらに寿命の違いもあります。
商品の単価はLEDランプの方が高いのですが、寿命が蛍光灯の約3倍ほどあるためトータルで考えるとお得になるということがあります。
また、空調についても同様です。
24時間営業の店舗などで住宅用のエアコンをつけていると高額な電気代になることがあります。
こちらも商品単価は高くなりますが24時間運転を前提とした業務用のエアコンを使用することをおすすめします。
省エネ性能がついたエアコンであれば、さらに電気代を抑えることができるでしょう。
自家消費型太陽光発電を利用する
節電、省エネの方法には「太陽光発電」があります。
これは店舗の屋根の上などに太陽光発電システムを設置して電気を作り、その電気を店舗で消費することで電力会社から電気を購入する量を減らすことができるというものです。
一般の住宅や大規模な倉庫などでは太陽光発電した電気を電力会社に売るという「全量売電型」とは違って、あくまでも自店舗で消費することを目的としています。
自家消費型太陽光発電の省エネ効果
自家消費型太陽光発電を行うことにはいくつかのメリットがあります。
まず火力発電や原子力発電ではなく太陽光による発電ですので二酸化炭素の排出を削減し、環境に優しい発電を行うことができるということです。
こうした環境保全を考えた取り組みは企業ととしても社会的取り組みをしているとして評価されることとなります。
また、電力会社から購入する電気を減らすことができますので、電気代の削減も可能です。
太陽光発電システムを設置するのに費用がかかりますが、太陽光に使える補助金が多くあるので検討していきましょう。
自家消費型太陽光発電の省エネに成功している事例
自家消費型太陽光発電システムを設置するコインランドリーは年々増加しています。
ECO WASH CAFEを運営しているまちづくりコーポレーション株式会社は、店舗の屋根に自家消費型太陽光発電を導入しました。
電気代高騰のなか、太陽光発電システムを設置して自家発電することにより、購入電力を削減できます。
▼詳しくはこちらで紹介しています。
電子ブレーカーを利用する
近年利用が増加しているものに「電子ブレーカー」があります。
これをうまく使うことで電気代を削減することが可能になるというものです。
ここではそんな電子ブレーカーについて紹介していきます。
電子ブレーカーとは
電子ブレーカーは電気代の基本料金を下げるために使用される機器です。
コインランドリーでは二種類の電気が使用されています。
・店舗内の照明などに使用される単相100Vの電灯契約
・洗濯機や乾燥機などに使用される三相200Vの動力契約
この2つのうち、電子ブレーカーを導入することで三相200Vの動力、洗濯機や乾燥機を稼働させるのに必要となる電気代を節約することが可能となるのです。
なぜ電子ブレーカーで電気代が安くなるの?
コインランドリーで使用される洗濯機や乾燥機、業務用のエアコンなどについては一般的に「負荷設備契約」となっています。
これは設備の稼働状況や使用電力などではなく、設置されている設備の総合設備容量によって基本料金が決まるというものです。
コインランドリーではそこにある機械が常にすべて稼働しているというわけではありませんので、実際には必要以上の基本料金を支払っているということがあるのです。
そこで「電子ブレーカーの導入」です。
電子ブレーカーを導入して一般的な「負荷設備契約」から、ブレーカー容量によって基本料金が決定される「主開閉器契約」に変更することができるのです。
実際に電子ブレーカーを導入しているコインランドリーでは「約40%の基本料金削減」に成功している事例があります。
ちなみに一般的なブレーカーは気温などの影響によってブレーカー容量を超えていないにもかかわらず電気が遮断されることがありますが、電子ブレーカーは気温などの影響を受けにくく、IS規格で遮断までの時間が定められているということもあって安全性を高めることも期待できます。
電子ブレーカーの導入事例
実際に電子ブレーカーは多くのコインランドリーで導入がなされています。
例えば「ホワイトピア上桂店」の事例を見ると、導入する前は契約容量が「29kW」だったものが「14kW」まで下げることに成功しています。
そのため導入前の基本料金が「32,074円」だったのが、導入後は「15,484円」まで下がっており、1ヶ月に「16,590円」の基本料金の削減となったのです。
年間で言えば約20万円の削減となりました。
電子ブレーカー製品にもよりますがたいていは「30~40万円」ほどで購入することができますので、1~2年でプラスにまで持っていくことが可能と言えます。
初期費用が高くて回収に時間がかかるという設備もありますが、電子ブレーカーは極めて早く原資を回収できる設備だと言えるでしょう。
▼電子ブレーカーについて詳しく知りたい方はこちら
まとめ
コインランドリーでは店舗内の照明、洗濯機や乾燥機の稼働に多くの電力が必要となります。
そこで節電、省エネを実施していくためには「太陽光発電システム」「電子ブレーカー」といったものを導入していく方法があります。
電力の可視化によって正確な数値を把握し、太陽光発電によって電気の購入費を抑え、電子ブレーカーの導入で基本料金を下げるということができれば大きな効果が期待できるでしょう。