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更新日:2024/11/13
キュービクルのBCP対策とは?対策のメリットについて解説!
BCP(事業継続計画)対策は、災害や予期せぬトラブルが発生した際に、事業をできるだけ早く復旧し、継続できるようにするための準備のことです。
キュービクルのBCP対策は、電力の安定供給を確保するために非常に重要です。
この記事では、キュービクルのBCP対策と対策のメリットについて詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
Contents
キュービクルとは?
キュービクルは、発電所から送られてくる6,600Vの電気を100Vや200Vに変圧するための機器を金属製の箱(筐体)に収めたものです。
施設や工場、ビルなどにおける電力供給を安定させるために非常に重要です。
※キュービクルの仕組みや導入のメリットについては、キュービクル(高圧受電設備)とは?仕組みや導入のメリット、注意点について解説をご覧ください。
キュービクルのBCP対策
ここからは、キュービクルのBCP対策について紹介します。
定期点検とメンテナンス
キュービクルの定期点検とメンテナンスにより、キュービクルのリスクが軽減され、BCPとしての事業継続力が強化されます。
点検中に異常が発見された場合は、迅速に原因を特定し、必要に応じて修理または部品交換を行います。
また、定期の点検結果や異常箇所は記録して、経年劣化の傾向を分析します。
これにより、次回の点検や部品交換の計画に役立ちます。
専門知識が必要な点検や高度なメンテナンス作業については、専門業者に委託することも効果的です。
資格を持った技術者による点検やメンテナンスにより、信頼性がさらに高まります。
緊急対応マニュアルの作成
キュービクルで異常が発生した際に対応ができるように、緊急対応マニュアルを作成します。(ブレーカーのリセット手順、異常音や異臭が発生した場合の対応など)
また、キュービクルで異常が発生した際に、担当者が速やかに対応できるよう、緊急連絡先リストや設備管理担当者の情報を整理します。
マニュアル作成後も定期的に訓練を実施し、設備の停止・再稼働手順、避難経路の確認などを徹底します。
キュービクルの設備に関するリスクの評価と優先度の明確化することで、迅速な判断と対応ができるようになります。
自然災害対策
地震や水害などの自然災害に備えた対策を強化します。
項目ごとの具体的な方法を紹介します。
地震対策
キュービクルの設置場所が、土砂崩れや建物崩壊の危険がないか確認し、リスクがある場合は安全な場所に再設置を検討します。
設備の内部部品が揺れて脱落しないように、固定具やストラップでしっかりと固定します。
また、機器やパネルも固定し、揺れでの破損を防ぎます。
洪水・浸水対策
洪水や浸水の危険がある地域では、キュービクルの設置場所を高所に設置するか、台座を設けて地上からの高さを確保します。
キュービクル内へ水の浸入を防ぐために、キュービクル外装に防水塗料を塗布し、外壁部分に防水シートを追加して浸水防止のための強化を行います。
キュービクル入口には防水扉や防水フラップを設置し、水が直接内部に入らないようにします。
台風・暴風雨対策
台風や暴風雨による飛来物での被害を防ぐため、防風フェンスや防護ネットをキュービクルに設置します。
また、外装や屋根材が暴風で飛ばされるリスクがあるため、台風シーズン前に外装の状態を点検し、劣化が見られれば補強や交換を行います。
予備電源の確保
キュービクルのBCP対策として予備電源の確保は、災害時や緊急時などに重要な設備を維持するためにBCPの要となる対策です。
自社のニーズやリスクに合わせて、最適な予備電源の組み合わせと運用を立てることが重要です。
具体的な予備電源の確保方法と特徴を紹介します。
非常用自家発電機
概要:非常用自家発電機は、ディーゼルやガスを燃料とする発電装置です。
停電した際に自動で起動し、一定の時間電力の供給を行います。
メリット: 通常の発電機と比較すると、導入費用が安い。長時間の電力供給が可能で、燃料の確保次第で長期の停電に対応できる。
検討事項:定期的な燃料の補充が必要で、運用する場合は予備燃料の備蓄が必要。
動作状態を確認しておくことが重要のため、定期的な試運転とエンジンの定期的な点検とメンテナンスが必要。
蓄電池システム
概要:蓄電池システムは、電力がある間に充電しておき、一時的な電力供給を行うシステム。
メリット:使用電力量が少ない時間帯(早朝・深夜など)に蓄電し、電力使用量が多い時間帯に放電することで、電力コストの削減できる。
検討事項:蓄電池システムは導入コストが高いため、長期の運用を考慮する場合は費用対効果を確認することが重要。
劣化を防ぐために、定期的な点検や容量チェックが必要。
また、産業用や業務用の蓄電池は大型のものが多く、キュービクル周辺に蓄電池を設置するスペースの確保が必要。
ハイブリッドシステム(自家発電機+蓄電池)
概要:自家発電機と蓄電池を組み合わせることで、短期・長期の停電に対応できるシステム。
メリット:蓄電池が短期停電に対応し、自家発電機が長期停電に対応するため、安定した電力を保つことができる。
燃料消費量を抑えられるため、排出されるCO₂の量が減り、環境に配慮した運用ができる。
検討事項:自家発電機と蓄電池は、どちらも発熱するため、通気性の良い場所に設置し、発火リスクを考慮する必要がある。
自家発電機と蓄電池を併用するため、設置スペースと導入コストが高くなる。
システムの切り替え手順や負荷管理など、運用計画を先に進めて、定期的な訓練を行うことが重要。緊急対応マニュアルを作成し、定期的な訓練を行うことで緊急時に適切な対応が取れる。
再生可能エネルギー+蓄電池
概要:再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせることで、エネルギー自給率を高める。
メリット:災害時に再生可能エネルギーと組み合わせた蓄電池システムがあれば、長期的なエネルギー確保が可能となり、復旧までの間、最低限の電力を確保できる。
電力会社への依存度を減らし、災害や緊急時のエネルギー供給の不安を軽減する。
平常時の電力コスト削減やCO₂削減効果も期待でき、環境負荷を軽減できる。
検討事項:太陽光発電や風力発電などは季節や天候によって発電量が変動するため、発電量の予測と蓄電池の容量の適切な管理が必要。
導入後の運用と定期訓練
予備電源の運用計画を立て、定期的に訓練し緊急時にスムーズな対応ができるようにします。
関係者が緊急手順を確実に実行できるように訓練を実施し、システムの効果と運用上の課題を確認します。
また、予備電源がいざという時に確実に稼働するよう定期的な試運転や点検を行い、機器の劣化や不具合を事前に発見し、必要に応じて修理や交換を行うことが重要です。
キュービクルBCP対策メリット
ここからは、キュービクルのBCP対策を行うことで得られるメリットについて見ていきましょう。
停電のリスク回避
災害や事故などで外部からの電力が停止した場合でも、自社の重要な業務が中断することを防げます。
特に発電機や蓄電池の導入により、一時的なもの万が一にも対応できる体制が整います。
キュービクルの長寿命化
キュービクルのBCP対策を行う際には、定期的なメンテナンスや点検が必須です。
定期的なメンテナンスや点検によって予期しない故障を予防し、キュービクルの劣化を防ぐことで寿命が延びることがあります。
キュービクルの保守点検は、省エネにもつながります。
詳しくは、キュービクルの保守点検における省エネ!電気料金削減と環境保全の実現をご覧ください。
コストの削減
自然災害や緊急事態が発生した場合に備え、発電機や蓄電池を導入しておくことで、停電による業務中断や機器トラブルによる損失を減らすことができます。
このような損失を防ぐことが、結果的にコストの削減につながることがあります。
まとめ
今回は、キュービクルのBCP対策について解説しました。
キュービクルのBCP対策は、災害や非常時においても電力供給を維持し、企業や施設の安定した運営を維持するために非常に重要です。
災害時などにも事業が途切れることなく継続できる体制を整えることで、顧客や取引先からの信頼の向上にもつながるため、蓄電池や非常用自家発電機の導入も検討してみてください。