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更新日:2023/11/14
話題のNon-FIT(非FIT)とは何か? FITとどう違うの?
「Non-FIT?なにそれ?」
「FITとの違いは?」
こんな質問がエネトクにも多く寄せられています。
Non-FIT(非FIT)とは、固定価格買取制度に依存しない100%再生可能エネルギーです。
脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの活用が積極的になっていることはご存じかと思います。
そして近年、Non-FIT(非FIT)は再エネ賦課金の上昇や環境配慮の面から注目を浴びています。
今回は、話題の「Non-FIT(非FIT)」について解説します。
Contents
FITって何だっけ?
まずは「FIT制度」について簡単に振り返ることにしましょう。
FIT制度
「固定価格買取制度」のことで、太陽光発電に代表される再生可能エネルギーで発電した電気を一定の期間、国が決めた価格で買い取るよう電力会社に義務づけた制度のことです。
※家庭用太陽光発電の場合、この固定価格買取制度を利用できる期間は設置導入後10年間
この買取費用、再エネ賦課金は電気料金を通じて国民が広く負担しています。再エネ賦課金は後述する「Non-FIT」にも関わってくるので覚えておいてください。
FIT制度が創設されたのは2012年7月。太陽光発電を中心とした再エネ発電は、火力発電などの従来発電に比べ発電コストが高く、導入がなかなか進まなかったという背景があります。
再エネの導入を促進することは、「温室効果ガスの排出減」資源が少ない日本で「エネルギー自給率を向上」させることにも繋がります。
FIT制度の意義と太陽光発電における買取価格の推移
FIT制度の最大の意義、それは太陽光発電設備などの設置導入費用の回収目途が立ちやすくなるという点です。
先に記載した通り、そもそもFIT創設の理由も「再エネを普及させるため」ですので、国が責任を持って「買取制度」を設けることで”リスクを負わずに設置することができる”ようにしたのです。
では、気になる買取(売電)価格の推移を振り返っていきましょう。
参考:ソーラーパートナーズ
上図のとおり、FIT(固定価格買取制度)の創設以来、売電価格は年々下がり続けています。
これだけ見ると「今さら太陽光をやっても損するのかな?」と思ってしまいますが決してそんなことはありません。
理由の一つとして、太陽光発電の設置費用にあります。
経済産業省のデータによると、5kWの太陽光パネルを10年前と比較したら、
2012年:約230万円 → 2021年は約120万円
となり、およそ半額にまで下がっています。
以前は、売電価格は高かったけど設置費用も高かったよね。
今は、売電価格は下がったけど設置費用も下がったよね。
という状態です。
太陽光パネルの発電効率も向上しているため、太陽光発電の経済メリットは下落しておらず、
太陽光パネルは早く導入したほうが、電気代削減や売電収入の経済メリットが早く手に入るのでお得となります。
そして、売電を行わず、発電した電気を自社活用する自家消費型太陽光発電の導入も増加しています。
詳しくは下記の記事で解説しています。
関連:自家消費型太陽光発電とは? 法人が導入するメリット・デメリットを解説!
ここまでFIT(固定価格買取制度)について振り返ってきましたが、ここからは「Non-FIT(非FIT)」について簡単に解説していきます。
Non-FIT(非FIT)とは?
Non-FIT(非FIT)とは、FIT制度に頼らない再エネ由来の電気のことです。
そしてNon-FIT発電所とは、非営利団体によって運営される発電所です。
営利を目的とせず、主に地域の電力需要を満たすために設立されます。これらの発電所は、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力など)を利用して電力を生産し、地域のエネルギー独立を促進することを目指しています。
これまではFIT制度のもと、再エネ(主に太陽光)由来の電気は一定期間、国が決めた価格で電力会社に買取り義務があり、その費用は「再エネ賦課金」として国民が負担しなければいけませんでした。
しかし、Non-FIT(非FIT)ではFIT制度に頼らないため、発電した電気の買取りの流れは特に定められておらず、電力会社などに買取り義務もありません。
政府もFIT制度の縮小(補助金減など)に進んでおり、国民負担が発生しないNon-FIT(非FIT)が注目されています。
Non-FIT(非FIT)を知る3つのポイント
最大のポイントは下記です。
- 再エネ由来100%の電力と認められる
- 環境対策として企業イメージの向上が可能
- 市場価格と電力調達へのリスクヘッジ
それぞれ解説していきます。
再エネ由来100%の電力と認められる
Non-FIT(非FIT)電気は、買い取りの流れは特に定められておらず、電力会社の買取義務や国民への負担もありません。
そのため、「CO2排出を抑え、環境負担も少ない」という環境価値を発電所や電気の供給先にも付与することになり、Non-FIT(非FIT)電気は再生可能エネルギー由来100%として認定されるのです。
「FITだと再エネ由来100%と認められないの?」と、疑問に思われたのではないでしょうか。
先述しましたが、FIT制度に頼った電力は「再エネ賦課金」という形で国民が一部費用を負担しています。この点において既に環境価値(CO2排出抑制、環境負担少など)への対価が支払われていると判断され「再エネ由来100%の電力」として認められないのです。
少し分かりにくいかもしれませんが、要するにFIT制度に頼った電力は「CO2排出を抑え、環境負担も少ない」という環境価値は、再エネ賦課金を支払っている人=国民に帰属すると考えられ、「再エネ価値を謳ってはダメ」というルールなのです。
環境対策として企業イメージの向上が可能
近年、「環境問題への取り組み」が企業イメージ向上に必要不可欠なものとなっています。
よく耳にするキーワードとして「ESG経営」や「CSR活動」「SDGs」といったものがあります。
ただ、「キーワードは知っているけど…」「重要なことは分かっているけど…」「何をしたら良いか分からない…」という方が多いのではないでしょうか。
国内外の主要企業が、事業活動で使用する全エネルギーを再生可能エネルギーによって調達することを目標とした「RE100」に加盟し、積極的に再エネ導入を推進しています。
世界中で脱炭素社会への移行が加速している中で、環境価値が認められている「Non-FIT発電」の重要性は、今後さらに高まり「環境対策に取り組む企業」として企業イメージの向上が可能になります。
市場価格と電力調達へのリスクヘッジ
Non-FIT(非FIT)発電所などの電気を使用することで、安価な電力を安定して供給でき、電力の市場価格の影響を受けにくくなるため、結果的に市場価格のリスクヘッジができるのです。
皆さんもTVニュースなどで見聞きされたことと思いますが、昨今では電力の市場価格の急激な高騰が続いています。
同時に多くの新電力会社が事業停止などに追い込まれています。
世界情勢の変化などで化石燃料が高騰し、併せて電力価格の値上がりは続いています。
様々な要因で起こる電気料金の高騰は私たち(自社)ではコントロールが出来ない問題です。
Non-FIT(非FIT)を活用、保有することで、そのような問題の回避に繋げられます。
また、Non-FIT(非FIT)太陽光を保有することで、将来的な炭素税の負担リスクも軽減できます。(炭素税については別の機会にまとめます)
Non-FIT(非FIT)とFITの違い
最大の違いは、再生可能エネルギーとして認められるかです。
改めて、FIT(固定価格買取制度)は、再生可能エネルギー発電事業者に電力を一定期間にわたって固定価格で買い取る制度に対して、Non-FIT(非FIT)はこの制度に縛られず、自由に電力を販売することができます。
今まではFIT制度により再エネの電気が売電されるのが一般的でした。私たちが再エネ賦課金という電気代の一部として負担し、日本の再エネ設備を知らず知らずのうちに支えてました。
しかし、Non-FIT(非FIT)は電力会社が買い取らなければいけない義務がないため、また私たちの負担が少ないため100%再生可能エネルギーとして認められているのです。
まとめ
今回はNon-FIT(非FIT)についてまとめました。
Non-FIT(非FIT)はFIT制度に頼らない100%再エネ由来の電気です。
Non-FIT(非FIT)については今後さらに注目されることが予想されるので、情報は随時更新していきます。
エネトクではNon-FITにかかわらず再エネに関する様々なご提案が可能です。
無料相談を行っているのでお気軽にお問い合わせください。