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更新日:2024/11/20
【これしかない】幼稚園で実践できる効果的な省エネ方法12選
幼稚園は教室の数だけ電気代がかかるので、その分節電や省エネが必要になってきます。
ただでさえ電気代以外にも人件費や広告費、園児募集などさまざまな費用が発生するため、節約できるところは可能な限り節約していかないと経営が成り立たなくなるでしょう。
幼稚園でできる省エネ方法は数多くあるので、電気の使い方を見直して効率良く省エネを行いましょう。
それでは、幼稚園で省エネが必要な理由や、効果的な省エネ方法についてご説明しましょう。
幼稚園を経営していて、電気代の高騰に悩んでいるなら是非とも参考にしてみてくださいね。
幼稚園ではどんな省エネをしてる?
幼稚園における節電・省エネが必要な理由や背景として挙げられるのが、年々電気代が高騰していることと、その他にもさまざまな費用がかかっているため、少しでも節約する必要性があることです。
幼稚園を経営する場合、人件費や広告費、園児募集、保育士募集、チラシの印刷代や求人広告掲載費、賃料、消耗品費、水道光熱費、おもちゃや工作の材料費、医薬品、傷害保険、賠償保険料、園児の事故などに備えた保険料などを初めとするさまざまな費用が発生します。
そんな中で電気代が年々高騰しているため、ますます資金繰りが厳しくなったり、費用が抑えられるところはしっかり抑えたりする必要性があるでしょう。
中でも電気代は改善の余地が大きいので、意識して省エネ活動を行うことが重要です。
幼稚園の電気代の内訳・割合
平成27年~29年の幼稚園における電気代の割合は、以下の通りです。
種類 | 割合 |
---|---|
電気代 | 55% |
上下水 | 31% |
燃料 | 14% |
平成27年~29年の幼稚園における電気代の内訳は、以下の通りです。
設備 | 割合 |
---|---|
照明設備 | 34% |
空調設備 | 31% |
コンセント | 10% |
動力 | 6% |
換気設備 | 5% |
床暖房 | 1% |
厨房設備 | 1% |
その他 | 12% |
平成27年~29年の幼稚園における燃料の内訳は、以下の通りです。
設備 | 割合 |
---|---|
空調設備 | 46% |
給湯設備 | 28% |
厨房設備 | 16% |
ボイラー | 5% |
床暖房 | 4% |
その他 | 1% |
以上のように、幼稚園で使われる電気代は照明設備や空調設備が多く占めていることが分かりますが、さまざまな場所で電気を使用しているので電気代が高くなりやすいでしょう。
地域によってかかる電気代が違うこともありますが、特に夏や冬など季節によってかかる電気代が違ってきます。
夏よりも冬の方が電気代が高くなる傾向にあるので、少しでも電気代を節約するためにも、常に省エネを意識した行動が必要です。
幼稚園で実践できる効果的な省エネ方法12選
幼稚園で効果的な省エネ方法として挙げられるのが、以下の方法です。
- 部屋の明るさを適度に調整する
- 点灯・消灯時間を管理する
- 太陽光発電システム+LED照明器具を取り付ける
- 照度センサーを設置する
- 人感センサーを設置する
- 部屋の温度管理を行う
- 室内の空気を循環させる
- 空調の運転時間を見直す
- 空調設備をメンテナンスする
- 最新の空調機を導入する
- 遮熱フィルムや断熱窓を導入する
- 電力会社を見直す
それでは、幼稚園で効果的な省エネ方法についてご説明しましょう。
部屋の明るさを適度に調整する
省エネを意識するのであれば、部屋の明るさを適度に調整するのがおすすめです。
教室、教職員室、事務室、トイレ、洗面所、廊下、渡り廊下と適切な明るさは各部屋によって違います。
教室や教職員室、事務室は明るくても問題ありませんが、トイレや洗面所、廊下、渡り廊下は教室等と同じ明るさにする必要性はありません。
多少暗くても問題ありませんし、窓から光が差し込んでくるようであればさらに明るさを調整することが大切です。
また、天気が良い日と悪い日で明るさも変わるので、天気による明るさの調整も必要です。
点灯・消灯時間を管理する
省エネを目指す上で点灯・消灯時間の管理は非常に重要です。
電気が点いているのと点いていないのとでは電気代に差が出るため、使っていない部屋の電気を消すのはもちろん、トイレ等を使用したらすぐに電気を消しましょう。
また、席や部屋を離れる時も忘れずに部屋を消す習慣をつけることが大切です。
太陽光発電システム+LED照明器具を取り付ける
中でも特におすすめなのは、太陽光発電システムの導入と共に照明器具を全てLEDに変えることです。
幼稚園の屋根に太陽光発電パネルを設置して発電することによって、使用する電気を賄うことができます。
屋根の形によっては太陽光発電の効率が良くなることもありますし、日中は電気を貯めておき、夜になったら貯めた電気を使うことができるので、オール電化にするのも良いでしょう。
貯めて使わなかった電気は翌日に回せるため、使用する電気量を最小限に抑えられるのがポイントです。
また、まだ電球や蛍光灯等をLEDに変えていないのであれば、すぐに取り換えるのがおすすめです。
基本的に寿命が長くて消費電力が少なく、衝撃に強くて壊れにくく、低発熱・赤外線フリーで虫が寄り付きにくい上に瞬時に明るくなります。
今まで使用していた電球や蛍光灯をLEDに変えることによって、少ないランニングコストで部屋がすぐに明るくなるでしょう。
LEDに変えるだけで6割、8割以上の電気代削減が実現できる上に、場合によっては数千、数万、数十万円と年間の電気代を効率良く抑えることができます。
照度センサーを設置する
照度センサーとは、窓からの自然光に合わせて照明の明るさが自動的に変化するセンサーです。
省エネを意識するのであれば天候による自然光の明るさに応じて部屋の明るさを調整する必要性がありますが、先生が高い頻度で明るさを調整するのは大変です。
そこで照度センサーを設置することによって、明るい時間帯に点灯して電気代が高くなるのを抑えることができます。
人感センサーを設置する
人感センサーを設置することで、人の動きを感知して電気のオンオフを自動的に切り替えられるのが大きなポイントです。
電気代が高くなる要因として挙げられるのが、電気の消し忘れです。
トイレや教室、廊下や給湯室など、各部屋の電気を消し忘れる頻度が多くなるほど電気代がかさんでしまいます。
しかし、人感センサーを設置することによって消し忘れが一切なくなるため、電気代を最小限に抑えられるでしょう。
部屋の温度管理を行う
部屋の温度管理は電気代を抑えるのに必要なことです。
部屋が暑すぎると冷房の温度を下げる必要性がありますし、部屋が寒いほど暖房の温度を上げる必要性があります。
しかし、冷暖房の温度が適正温度よりも離れているほど電気代も高くなっていきます。
電気代を最小限に抑えるためにも部屋の温度管理を行って適正温度で稼働させることが重要です。
一般的に暖房の適正温度は20℃、冷房の適正温度は28℃とされているため、その適正温度を目安に温度管理を行いましょう。
室内の空気を循環させる
冷暖房効率を向上させることも省エネに繋がるため、室内の空気を循環させることが重要です。
空調を使用している場合、部屋に風が均等に分配されず、かえって冷暖房効率が悪くなってしまいます。
そこで扇風機やシーリングファンなどを使用して部屋の空気を循環させることで、快適な室温で過ごせるようになります。
無駄に冷やしすぎたり暖めすぎたりすることがなくなり、効率良く空調を運転できるようになるので省エネにつながります。
空調の運転時間を見直す
空調が使用できるからといって、常に運転し続ける必要性はありません。
空調を止めたとしてもすぐに部屋が寒くなったり暑くなったりすることはありません。
夏場や冬場ならまだしも、春や秋の気候は過ごしやすいので窓を開けて空調を止めるだけで省エネにつながります。
また、空調を運転させっぱなしにするのではなく、誰もいない時や部屋を離れる時などは空調を停止して電気代をかけないようにしましょう。
空調設備をメンテナンスする
空調の運転効率を最大限に発揮するためには、空調設備のメンテナンスが必要不可欠です。
空調設備内のフィルターやフィンコイルの汚れや目詰まりは運転効率がどんどん悪くなっていくので、無駄なエネルギーを消費してしまいます。
フィンコイルは難しいかもしれませんが、定期的にフィルターを掃除するだけでも運転効率はかなり良くなるでしょう。
フィルターを水洗いするのが基本ですが、部屋の掃除のついでに掃除機でフィルターのホコリを取り除くだけでも大きく違います。
最新の空調機を導入する
空調機は年々進化し続けており、その分機能性に優れていて運転効率が高いのが特徴です。
幼稚園の空調設備が古い場合、最新の空調機を導入するだけでもかなりの省エネにつながります。
最新の空調機には人感センサーや照度センサー、消費電力を抑える最大電力制御機能などを初めとする機能が搭載されています。
遮熱フィルムや断熱窓を導入する
省エネを意識するのであれば、部屋や空調だけでなく窓にも注目しましょう。
遮熱フィルムや断熱窓に変えるだけで、冷暖房効率が一気に向上します。
遮熱フィルムは窓から入る日射熱を大幅にカットするだけでなく、熱が室内に伝わりにくくなるので冷房効率がグッと上がります。
有害な紫外線もカットできるため、遮熱フィルムの導入を検討するのがおすすめです。
また、断熱窓も基本的に遮熱フィルムを同じではありますが、厚さや構造などが違います。
空調設備のエネルギー削減のためにも、遮熱フィルムや断熱窓の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
電力会社を見直す
根本的に電気代を見直すためにも、電力会社を見直すのも効果的です。
現在契約している電力会社よりも電気代が安い電力会社に切り替えることで、毎月の電気代を抑えることができます。
電力自由化によって基本的に自分で電力会社が選べるようになっている他、電力会社を切り替えたからといって電気の質が落ちたり停電の回数が増えたりするようなことはありません。
これを機に電力会社を見直して、さらに電気代が安い電力会社への切り替えを検討してみましょう。
省エネに成功している事例
幼稚園の省エネに成功している事例は、以下の通りです。
愛媛県松山市学校法人木の実学園「木の実幼稚園」
木の実幼稚園は愛媛県から子育て支援事業の認定を受けており、2012年3月から環境教育の一環としてSMARTMETER ERIAとSMART CLOCKを導入しました。
電力の見える化を実現することで省エネ活動を始め、園児たちの教育ツールとして役立っていることが分かりました。
園児たちが興味を持って省エネ活動に取り組めるようになっているのが大きなポイントで、園児自らが省エネを呼びかけることで家庭でも省エネ活動が自然とできるようになっています。
この省エネ活動を行ったことにより、2011年の消費電力が76kWだったのに対し、導入した2012年の消費電力は59kWでした。
つまり、省エネ活動を行ったことで20%以上も消費電力を抑えることに成功しています。
学校法人小川学園「土気中央幼稚園」
土気中央幼稚園は1974年3月に開園し、周辺地域の幼児教育の中枢として貢献しています。
土気中央幼稚園の省エネ活動として行っているのが、2009年12月に導入した多結晶太陽光発電システムです。
電池容量30kWの太陽光発電システムを幼稚園の屋根に設置し、2010年1月から稼働させたことで大きな効果が得られています。
太陽光発電システムの導入と同時に園の先生の省エネ意識が高まったことも相まって、天気が良い日が続いた時の発電量が多いのがポイントでした。
特に発電量が多かった月は電気代が15%も削減されたようです。
まとめ
年々電気代が高騰し続ける中、幼稚園が滞りなく経営し続けるためにも省エネを意識した活動が必要です。
幼稚園においても冷暖房効率を向上させる方法を実践したり、電気代が高くなる要因を可能な限り排除したりとできることは数多くあります。
毎月発生する電気代を効率良く最小限にすうるためにも、意識的に行動することが大切です。