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蛍光灯の製造・輸出入が禁止になる2027年問題ってなに?

蛍光灯の製造・輸出入が禁止になる2027年問題ってなに?

エネトク編集部

エネトクは、全国15,000件以上の多種多様なお客様に、省エネ・コスト削減の提供実績があります。脱炭素社会の実現に向けて、専門のスタッフが省エネにまつわる様々なお悩みを解決し、お客様のエネルギーコストを最小化します。

政府は、2030年までに既設照明の100%LED化を目指しています。

日本照明工業会によると、2021年2月時点では51.2%がLEDに変わっており、計画通りに来ていると言えます。

2027年には、蛍光灯の製造・輸出入が禁止となり、ますますLED化は進んでいくでしょう。

では、蛍光灯が製造禁止になる2027年問題とは一体どういうことなのか、見ていきましょう。

蛍光灯の製造・輸出入が禁止になる2027年問題ってなに?

蛍光灯の2027年問題は、水銀に関する水俣条約に基づき、一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入が2027年までに段階的に廃止されることを指します。

水銀に関する水俣条約は、水銀の使用や排出を国際的に規制することを目的とした条約です。

具体的には、2023年11月に開催された第5回締約国会議で、一般照明用の蛍光ランプについてその種類に応じて2026年末または2027年末までに製造及び輸出入を禁止することが合意されました。

この決定により、直管蛍光ランプや環形蛍光ランプなどが対象となりLED照明への切り替えが推奨されています。

また、水銀汚染廃棄物に関しても、水銀含有濃度が1kg当たり15mgを超える場合に規制対象となるしきい値が設定されました。

これらの措置は、水銀による健康被害や環境汚染を防ぐための重要なステップです。

蛍光灯の製造・輸出入が禁止になる理由

蛍光灯の製造・輸出入が2027年末までに禁止される主な理由は、製造過程で使用される水銀が環境や人の健康に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

水銀は、水俣病の原因となった重金属であり、人体に有害な影響を与えることが知られています。

水銀に関する水俣条約の第5回締約国会議では、一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入を段階的に廃止することが決定されました。

これには、直管蛍光ランプや環形蛍光ランプ、コンパクト形蛍光ランプが含まれます。

特に、「ハロリン酸塩系」蛍光ランプは2026年末、より高効率で明るい「三波長系」蛍光ランプは2027年末に製造・輸出入が廃止される予定です。

この決定の背景には、LEDへの切り替えが進んでいることがあります。

LEDは、エネルギー効率が高く、水銀を使用しないため、環境に優しい選択肢とされています。

従って、蛍光灯の製造禁止は、環境保護と人々の健康を守るための重要なステップとなっています。

水銀による環境汚染

近年、水銀による環境汚染が世界規模で深刻化しており人体や生態系に大きな負荷を与えています。

人体への影響と生態系への負荷

水銀は、自然界に存在する元素ですが、人間の活動によって環境中に放出されています。

主な排出源は、小規模金鉱山、石炭火力発電所、セメント工場、医療機器、蛍光灯などです。

水銀は、大気、水、土壌に存在し、生物濃縮によって食物連鎖を通じて高濃度に蓄積されます。

プランクトンが水銀を吸収し、それを食べる小魚、さらにそれを食べる大魚へと、食物連鎖の上位に行くほど水銀濃度が高くなります。

人間は、水銀汚染された魚介類を食べることで水銀を体内に取り込みます。

水銀は体内に蓄積され、神経系、腎臓、胎児に深刻な影響を与えます。

水銀中毒の症状

水銀中毒の症状は、水銀の摂取量や形態、個人の体質などによって異なります。

主な症状は以下の通りです。

水銀汚染は、生物多様性にも大きな脅威を与えています。

水銀に汚染された魚介類を食べることで、鳥類や哺乳類も水銀中毒を引き起こします。

水銀中毒によって、動物は繁殖能力や運動能力が低下し死に至ることもあります。

また、水銀は生態系の食物連鎖全体に悪影響を与え、生態系のバランスを崩す可能性があります。

水銀汚染対策の重要性

水銀による環境汚染と健康被害は、国際的な取り組みによって解決していく必要があります。

2013年に発効した「水銀条約」は、水銀の生産、使用、貿易、排出を削減することを目的とした国際条約です。

各国は、水銀条約を遵守し、水銀汚染対策を積極的に推進していく必要があります。

私たち一人一人が、水銀含有製品の使用を控え、水銀汚染問題に関心を持つことも重要です。

蛍光灯の製造・輸出入禁止までのリスク

蛍光灯の製造禁止に向けたリスクには、以下のようなものがあります。

順番に解説します。

在庫と入手性

製造禁止後、蛍光灯の在庫が限られることになり、入手困難になる可能性があります。
これは特に、交換用の蛍光灯が必要な場合に影響を及ぼす可能性があります。

価格変動

製造禁止が近づくにつれて、蛍光灯の価格が上昇する可能性があります。
また、LEDへの切り替えに伴う材料価格の高騰も予想されています。

照明器具の更新

蛍光灯の製造禁止に伴い、LEDへの切り替えが必要になります。
これには、新しい照明器具への投資や電気工事が必要になります。

環境への影響

蛍光灯に含まれる水銀は環境に有害であり、適切な処理が求められます。
製造禁止により、水銀の使用が減少する一方で既存の蛍光灯の廃棄処理が重要な課題となります。

社会的・経済的影響

蛍光灯の製造禁止は、製造業者や販売業者に経済的影響を及ぼす可能性があります。
また、消費者にとっても照明器具の更新や交換に関する情報の周知と準備が必要です。

これらのリスクを軽減するためには、計画的な移行、情報の提供および適切な廃棄処理が重要です。

蛍光灯をLEDへ!切り替えのメリット

ここからはLEDに変えるメリットをご紹介します。

電気代の節約

LEDは蛍光灯よりも消費電力が少ないため、電気代を節約できます。

一般的に、蛍光灯と比べて約40~70%の節電効果が期待できます。

ランニングコストが削減

LEDは蛍光灯よりも寿命が長いため、交換頻度が低くなります。

蛍光灯の寿命は約4000~8000時間なのに対し、LEDは約40,000時間です。

CO2排出量を削減できる

LED照明は蛍光灯よりも消費電力が少ないため、CO2排出量を削減できます。

水銀を含まない

蛍光灯には水銀が含まれていますが、LEDには水銀が含まれていません。

水銀は人体や環境に悪影響を与えるため、LEDは環境に優しい照明と言えます。

点灯が早い

LEDは蛍光灯と比べて点灯が早いです。

スイッチを押したらすぐに点灯するので、待機時間がなくストレスを感じません。

調光・調色が可能

LEDは調光・調色が可能なものが多いです。

部屋の雰囲気に合わせて明るさを変えられるので、快適な空間を作ることができます。

虫が寄り付きにくい

LEDは紫外線をほとんど発しないため、虫が寄り付きにくいです。

発熱量が少ない

LEDは発熱量が少ないため、夏場のエアコンの効きが良くなります。

衝撃に強い

LEDはポリカーボネート素材を使っているため、衝撃に強く、落下しても破損しにくいです。

このように、蛍光灯をLEDに変えるメリットはたくさんあります。

経済的にも環境的にもメリットがあるため、ぜひLEDへの切り替えを検討してみてください。

また、LEDの導入に関する補助金や助成金を利用する際の手順や条件についても、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

蛍光灯をLED照明へ!補助金制度を活用しよう

工場やオフィスでLEDに交換する際に利用できる補助金や助成金がいくつかあります。

中小企業経営強化税制

中小企業が特定の設備投資を行った場合、税額控除または特別償却の適用を受けることができます。

カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

省エネ効果が高い照明や空調システムを導入する際、最大10%の税額控除または50%の特別償却を受けられます。

地方自治体の補助金

東京都や埼玉県など、地方自治体によっても様々な補助金や助成金が提供されています。

例えば、東京都では中小企業者向けの省エネ促進税制があり、一定の条件を満たす省エネルギー設備の導入に対して税額控除や特別償却の適用が可能です。

これらの補助金や助成金を利用するには、申請手順や必要書類がありますので、詳細は各制度の公式情報を確認するか、専門家に相談することをおすすめします。

また、補助金や助成金の申請期限や条件が変更されることがあるため、最新の情報を得ることが重要です。

蛍光灯の2027年問題について企業が取り組むべきこと

蛍光灯の2027年問題について、企業が取り組むべきことは以下の通りです。

代替技術への移行

水銀を使用する製品の製造や輸出入が段階的に禁止されるため、LEDなどの代替技術への移行を進める必要があります。

法令遵守

水銀汚染防止法や水俣条約の規制に従い、適切な措置を講じることが求められます。

情報提供と表示

水銀含有製品に関する情報を提供し適切な表示を行うことで、消費者やビジネスパートナーへの透明性を確保します。

環境保全活動

水銀の使用を減らすための環境保全活動に積極的に参加し、社会的責任を果たします。

廃棄物管理

水銀廃棄物の適切な管理と処理を行い、環境への影響を最小限に抑えます。

これらの取り組みは、2027年までに水銀使用製品の製造及び輸出入が禁止されることに合わせて計画的に進めることが重要です。

また、水銀汚染防止法に関する施行状況点検や水銀に関する水俣条約第5回締約国会議の結果など最新の情報に基づいた対策を講じることが求められます。

企業はこれらの動向を注視し、継続的な改善と法令遵守を心がける必要があります。

蛍光灯の廃棄方法は?

工場やオフィスから出る蛍光灯は、一般家庭ごみとして処分することはできず、産業廃棄物として、処理する必要があります。

工場やオフィスから出る蛍光灯の廃棄には、いくつかのステップがあります。

  1. 分別して保管する
  2. 収集運搬を委託する
  3. 処理業者に委託する
  4. 契約書とマニフェストの作成

以下の手順に従ってください。

分別して保管する

使用済みの蛍光灯を分別し、適切に保管します。

収集運搬を委託する

産業廃棄物の収集・運搬を行う業者に委託します。

処理業者に委託する

産業廃棄物処理の許可を持つ専門業者に処分を依頼します。

契約書とマニフェストの作成

業者との間で委託契約書を作成し、廃棄物の種類や数量を記載したマニフェストを交付します。

蛍光灯には水銀などの有害物質が含まれているため、正しい処分方法を選ぶことが重要です。

また、処分業者を選ぶ際には、自治体の許可基準を満たしているか、マニフェストの作成に対応しているかなどいくつかのポイントを確認する必要があります。

まとめ

2027年末に迫る蛍光灯製造禁止の措置は、私たちの環境と健康にとって重要な一歩です。

水銀の使用を減らしより持続可能なLEDへの移行は、地球上の生命にとってより安全な選択を意味します。

この記事を通じて、蛍光灯からLEDへの切り替えがもたらす多くのメリット、利用可能な補助金制度そして企業や個人が取り組むべき対策について理解を深めることができました。

最終的には、私たち一人ひとりが環境に配慮した選択をすることで、より良い未来を築くことができるのです。

蛍光灯の廃棄方法や成功事例を参考にしながら、今こそ行動を起こしましょう。

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