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産業用蓄電池と系統用蓄電池の違いとは?メリット・デメリットについて解説

産業用蓄電池と系統用蓄電池の違い メリット・デメリットについて解説

エネトク編集部

エネトクは全国15,000件以上の法人様に省エネ・コスト削減の支援実績があります。あらゆる業種に対応できる専門性高いコンサルタントがエネルギーコストにまつわる様々なお悩みに合わせて、省エネのフルサポートをおこなっています。

近年、産業用蓄電池や系統用蓄電池を導入している企業が増えてきました。

産業用電池と系統用蓄電池は、用途や規模などに大きな違いがあります。

企業にとっては、電力コスト削減や災害時のBCP対策、環境への配慮などの取り組みとして導入が進められています。

そこで今回は、産業用蓄電池と系統用蓄電池の違いやメリットやデメリットを紹介していきます。

導入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

産業用蓄電池と系統用蓄電池の違い

産業用電池と系統用蓄電池は、用途や規模、設計目的、運用などに大きな違いがあります。

それぞれの違いについて解説します。

用途の違い

産業用蓄電池:公共施設、商業施設などで使用され、停電時のバックアップや電力コスト削減を目的とします。

系統用蓄電池:電力網全体を安定化と、再生可能エネルギーの活用や電力需給の調整を行います。

規模の違い

産業用蓄電池:数十kWhから数MWh台の小規模なシステムが多く、工場やオフィスビルなどの特定の施設や企業で利用されます。

系統用蓄電池:数十MWhから数百MWh台の大規模なシステムで、電力会社の電力系統全体を支えるため、主に電力会社や配電事業者が導入します。

設計目的の違い

産業用蓄電池:電力コスト削減や停電時に重要な機器や設備の稼働を継続させるために設計されています。また、再生可能エネルギーと組み合わせて使用することで、余剰電力を蓄えて必要なときに使用することができます。これにより、さらに電力コストを削減します。

系統用蓄電池:電力網全体の安定性を確保し、電力需給バランスの調整、再生可能エネルギーの効率的な利用、電力需給バランスを調整することです。

さらに、CO2排出削減や環境負荷の軽減にも貢献し、持続可能なエネルギー供給システムの構築を目指しています。

運用の違い

産業用蓄電池:施設や企業が自社で運用し、電力使用のピークカットや停電時のバックアップを行います。エネルギーマネジメントシステム(EMS)と連携し、工場やオフィスビルなどで電力使用を最適化します。

エネルギーマネジメントシステムについては、エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは?メリットや種類まで徹底解説で解説しています。

系統用蓄電池:電力会社や送配電事業者が運用し、電力網全体の安定性を維持することで電力網全体の信頼性と効率性が向上し、CO2排出削減や環境負荷の軽減にも貢献することが期待されます。

産業用蓄電池とは

産業用蓄電池とは、一般家庭に設定される蓄電池とは異なり、工場や倉庫、公共施設、商業施設などに設置される業務用の蓄電システムのことを指します。

工場やオフィスで利用されるため、大容量であり寿命も長くなる特徴があります。

▽実際の写真

産業用蓄電池

基本的な仕組みは、コンセントや太陽光発電などの再生可能エネルギーから電力を取得し、必要なときに出力することができます。

もともとは、大規模な施設での利用が多かった産業用蓄電池ですが、東日本大震災をきっかけに災害時の停電対策として注目されるようになり、中小の施設でも導入が進んでいます。

産業用蓄電池のメリット

ここでは、産業用蓄電池を導入すると企業にとってのどのようなメリットがあるのか紹介します。

 

災害時の非常用電源を確保できる

産業用蓄電池は、災害時に非常用電源を確保できます。産業用蓄電池は容量が大きく、災害時には1週間程度電源として利用することができます。大規模な自然災害が発生しても、産業用蓄電池があると必要な電気をスムーズに利用できます。非常用電源としての産業用蓄電池は、電力が復旧するまでの間、重要な業務や救命措置を中断することなく継続するためにも重要です。

災害時の避難拠点として活用できる

大容量の産業用蓄電池があると、災害時に停電が発生しても電気を確保できます。

蓄電池を設置することで電力の自給自足が実現できている大規模施設では災害時の地域の避難拠点として活用することができます。

蓄電池を活用することで、避難所の運営におけるリスクを軽減し、被災者の安定した避難場所を提供できます。

電力コスト削減

産業用蓄電池の導入は、電力コスト削減にもつながります。理由として、電気料金は時間によって異なることがあり、多くの企業では、電気料金が高価になる時に多くの電力を使用します。高額な電気料金を支払う必要がある企業にとって、電気料金が高い時間帯に蓄電池から電力を供給することで、電力コストを削減できます。

企業のイメージアップ

近年、SDGsの達成に向けて、再生可能エネルギーへの注目が集まっています。

産業用蓄電池を導入することで、再生可能エネルギーの利用拡大に貢献し、CO2排出量の削減や省エネを実現できます。これにより、環境にやさしい企業としての社会的な評価が高まります。

 

産業用蓄電池のメリットについては、【5分で理解】産業用蓄電池とは?特徴やメリット・デメリットまでご紹介の記事でも解説しています。

産業用蓄電池のデメリット

次に、産業用蓄電池のデメリットについてご紹介します。

 

導入コストが高い

産業用蓄電池の導入には高額な初期投資が必要です。

実際にかかる費用は、企業規模や使用用途によって異なりますが、蓄電池本体の費用や設置工事費用だけでなく、

それを効率的に運用するための制御システムやエネルギーマネジメントシステム(EMS)などの導入により多額の費用がかかります。

しかし、電力コストの削減やBCP対策といったメリットを考慮することで、投資価値があると判断されるケースも多いです。

また、産業用蓄電池の導入には、国や自治体から補助金が出る場合も多くあります。

補助金を使うことで初期投資を軽減することができますが、補助金の要件や利用条件が時期や地域によって異なるため、最新の情報を確認することが重要です。

設置スペースの確保

産業用蓄電池は、基本的にサイズが大きいので大きな設置スペースが必要です。本体のスペースに加えて、冷却システムや制御機器、設置やするための作業ができる広さも考慮しなければいけません。また、どこの場所へも設置できる訳ではなく、蓄電池に適した環境である必要があるので、事前に確認することが重要です。

 

系統用蓄電池とは

系統用蓄電池とは、電力系統や再生可能エネルギー発電所などに接続する大規模な蓄電システムのことで、大容量で高い耐久性を持つ特徴があります。

基本的な仕組みは、蓄電池を電力系統に接続することで電力系統の安定化を図り、電力需要と供給のバランスを調整することができます。

系統用蓄電池のメリット

ここでは、系統用蓄電池を導入すると企業にとってのどのようなメリットがあるのか紹介します。

 

市場取引を活用して収益を得ることができる

電力市場での売電:電力の売買が行われる市場で、発電事業者や再生可能エネルギー発電所が供給する電力を、電力会社や企業などが購入する場です。

日本卸電力取引所(JEPX)などの電力市場で電力を売買することで収益を得ることができます。

電力価格が安い時間帯(早朝や深夜)に電気を蓄電池にためておき、電力価格が高いピーク時に放電することで、価格差による収益を得られます。

また、再生可能エネルギーの余剰電力を蓄電し、需要が増える時間帯に高値で売電することで、系統用蓄電池の収益化できます。

調整市場での収益:調整市場は、リアルタイムで電力の需給バランスを調整するための市場です。

系統用蓄電池は、電力の供給と需要のバランスを調整するために、調整市場に参加して収益を得ることができます。

電力需要が急増したり供給が過剰になった場合に、電力の供給・吸収できることで、電力網全体の安定化に貢献しその対価として報酬を得ることが可能です。

容量市場での収益:容量市場は、将来の電力需給の逼迫を防ぐために、電力の供給能力を確保する市場です。

系統用蓄電池は、電力を実際に供給するのではなく電力供給を待機しているだけで報酬が得られます。
供給の安定性を提供すること自体に価値があるので、将来的な電力供給の確保に対する報酬を受け取ることができます。

電力コスト削減

系統用蓄電池は、電力需要が少ない早朝や深夜などの時間帯に電気を蓄電池にためておき、電力需要がピークとなる時間帯蓄電した電気を使用することで、ピーク電力の使用量を抑えることでコスト削減につながります。

また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの余剰電力を蓄えて、必要なときに使用することで、電力会社からの電力購入を減らし、自家消費率の向上と電力コスト削減につながります。

BCP対策

災害や事故による大規模停電時にバックアップ電源としても活用することができます。

系統用蓄電池は、災害の影響を受けにくい場所に設置されることが多いため、非常に時でも地域全体の電力供給を一時的に支えることができます。

系統用蓄電池のデメリット

次に、系統用蓄電池のデメリットについてご紹介します。

 

導入コストが高い

系統用蓄電池の導入には高額な初期投資が必要です。

実際にかかる費用は、導入場所や蓄電池の種類・容量などによって異なりますが、蓄電池本体の費用や設置工事費用だけでなく、安全運用のために冷却設備などの導入により多額の費用がかかります。

導入規模が大きくなるほど費用も高額になりますが、電力コスト削減や電力市場での収益化といったメリットにより、長期的な運用でコスト回収が期待できます。

また、産業用蓄電池と同様に、系統用蓄電池の導入にも国や自治体から補助金が出る場合も多くあります。

補助金をうまく活用することで初期投資を軽減することができますが、補助金の要件や利用条件が時期や地域によって異なるため、最新の情報を確認することが重要です。

収益が安定しないリスクがある

系統用蓄電池をJEPXなどの電力市場で活用する場合、市場の価格変動が影響するため収益が安定しないリスクがあります。

系統用蓄電池で収益を得るには、電力市場の価格変動に沿った柔軟かつ専門的な運用が求められます。

運用には専門知識や経験が必要になるため、アグリゲーターなどに運用を代行することで、電力市場での運用効率を高め、利益を最大化することができます。

 

まとめ

産業用蓄電池と系統用蓄電池の違いについて解説しました。

産業用蓄電池と系統用蓄電池には、用途や規模、設計目的、運用に大きな違いがありました。

産業用蓄電池は、主に公共施設、商業施設などの電力管理に特化し、コスト削減や停電時のバックアップ電源としての役割が強い一方、系統用蓄電池は電力網全体の安定化や電力網全体を安定化と、再生可能エネルギーの活用や電力需給の調整を行います。

目的や規模、環境に応じて異なる役割を果たし、電力の効率的な管理と供給に貢献します。

産業用蓄電器や系統用蓄電池の導入をご検討される際は、本記事を参考に、自社に適した製品の導入をされてみてください。

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