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更新日:2026/06/17
金属加工業の省エネ対策12選|工場の電気代を削減する設備別の方法
金属加工業では、NC旋盤やマシニングセンタ、溶接機、プレス機、コンプレッサー、集塵機、空調、照明など、多くの設備で電力を使用します。特に工場では生産設備の稼働時間が長く、電気代や基本料金が経営を圧迫する要因になりやすいです。
金属加工業の省エネでは、まず「コンプレッサー」「工作機械」「溶接機・プレス機」「集塵機」「空調」「照明」「電力契約」を見直すことが重要です。エア漏れの補修や待機電力の削減、デマンド値の管理、LED照明への交換、太陽光発電・蓄電池の活用などを組み合わせることで、工場全体の電気代削減につながります。
本記事では、金属加工工場で実践しやすい省エネ対策を、設備別にわかりやすく解説します。
Contents
金属加工業で省エネ対策が必要な理由
金属加工業で省エネ対策が必要な理由は、電気代や基本料金の削減が利益改善に直結するためです。金属加工工場では、生産設備やコンプレッサーなどの電力使用量が大きく、稼働時間が長いほど毎月の電気代も高くなります。
また、電気料金の上昇や燃料費調整額、再エネ賦課金などの影響により、工場のエネルギーコストは増加しやすい状況です。売上をすぐに伸ばすことが難しい場合でも、電気代や基本料金を見直すことで、固定費を削減し、利益を確保しやすくなります。
さらに、近年は脱炭素や省エネへの取り組みが取引先から求められるケースも増えています。電力使用量を削減し、CO2排出量の低減に取り組むことは、コスト削減だけでなく、環境配慮企業としての評価向上にもつながります。
金属加工業の電気代が高くなりやすい原因
金属加工業の電気代が高くなりやすい主な原因は、生産設備の使用割合が大きいことです。NC旋盤、マシニングセンタ、プレス機、レーザー加工機、放電加工機、溶接機などは、加工時に多くの電力を使用します。
特に見直したいのがコンプレッサーです。金属加工工場では、エア工具、治具、清掃、搬送、機械制御などに圧縮空気を使うことがあります。圧縮空気を作るには多くの電力が必要なため、エア漏れや過剰な吐出圧力があると、コンプレッサーの電気代が増加します。
また、工作機械や溶接機、プレス機は、加工していない時間にも待機電力が発生する場合があります。昼休みや段取り替え、夜間・休日など、実際には稼働していない時間に設備が通電したままになっていると、無駄な電力消費につながります。
空調、換気、集塵機、照明も見落とせません。工場では作業環境を維持するために、これらの設備を長時間使用します。さらに、高圧電力を契約している工場では、ピーク電力が高くなると基本料金にも影響するため、デマンド値の管理が重要です。
金属加工業で効果的な省エネ対策一覧
金属加工業の省エネ対策は、すぐに始められる運用改善と、設備更新・契約見直しによる対策に分けられます。まずは費用をかけずにできる点検や運転時間の見直しから始め、削減効果が大きい設備を優先的に改善するとよいでしょう。
| 省エネ対策 | 対象設備 | 始めやすさ | 効果の期待度 |
|---|---|---|---|
| エア漏れ点検・補修 | コンプレッサー | ◎ | 高 |
| 吐出圧力の適正化 | コンプレッサー | ○ | 高 |
| 待機電力の削減 | 工作機械・溶接機 | ◎ | 中 |
| 設備の一斉起動を避ける | 工場全体 | ◎ | 中 |
| 集塵機・換気設備の運転見直し | 集塵機・換気扇 | ◎ | 中 |
| LED照明への交換 | 照明 | ○ | 高 |
| 電力契約の見直し | 契約電力 | ○ | 高 |
| デマンド制御 | 高圧電力 | ○ | 高 |
| 電子ブレーカー | 低圧電力 | ○ | 高 |
| 太陽光発電・蓄電池 | 工場全体 | △ | 高 |
| 電力使用量の見える化 | 工場全体 | ○ | 高 |
省エネ対策は、1つだけ実施するよりも複数を組み合わせることで効果が高まりやすくなります。特に金属加工業では、生産設備・コンプレッサー・電力契約の3つを優先的に確認しましょう。
今すぐできる金属加工工場の省エネ対策
大きな設備投資を行う前に、まずは日々の運用を見直すことが大切です。不要な設備の停止、待機電力の削減、設備の一斉起動を避けるだけでも、電力使用量やピーク電力を抑えられる可能性があります。
たとえば、昼休みや休憩時間、段取り替えの時間に、使用していない工作機械や溶接機の電源が入ったままになっていないか確認しましょう。夜間や休日にコンプレッサー、集塵機、空調、照明が稼働したままになっている場合も、無駄な電気代が発生します。
また、始業時に複数の大型設備を一斉に起動すると、瞬間的に使用電力が上がり、デマンド値が高くなる場合があります。高圧電力を契約している工場では、ピーク電力が基本料金に影響するため、設備の起動タイミングをずらすことも有効です。
コンプレッサーの省エネ対策
金属加工工場で特に優先したいのが、コンプレッサーの省エネ対策です。圧縮空気は便利な一方で、作るために多くの電力を必要とします。そのため、エア漏れや過剰圧力を放置すると、工場全体の電気代が高くなりやすくなります。
エア漏れを点検・補修する
エア漏れは、コンプレッサーの無駄な稼働につながります。配管の接続部、ホース、バルブ、カプラー、エア工具周辺などを定期的に点検し、漏れがあれば早めに補修しましょう。
小さなエア漏れでも、長時間続けば大きな電力ロスになります。休日や夜間など、工場内が静かな時間帯に音を確認したり、専用機器で漏れを検知したりする方法も有効です。
吐出圧力を適正化する
コンプレッサーの吐出圧力が必要以上に高いと、余計な電力を消費します。設備やエア工具に必要な圧力を確認し、過剰な設定になっていないか見直しましょう。
ただし、圧力を下げすぎると加工品質や設備動作に影響する可能性があります。現場で必要な圧力を確認しながら、無理のない範囲で適正化することが重要です。
不要時はエアブローや配管を停止する
エアブローを常時使用している場合や、使っていないラインに圧縮空気を送り続けている場合も、電力ロスにつながります。必要な工程・時間だけ使うようにし、不要な配管はバルブで停止しましょう。
複数台のコンプレッサーを使っている場合は、台数制御やインバーター式コンプレッサーの導入も検討できます。負荷に応じた運転ができれば、無駄な稼働を減らしやすくなります。
工作機械・生産設備の省エネ対策
金属加工業では、工作機械や生産設備の電力使用量が大きいため、運転方法の見直しが重要です。NC旋盤やマシニングセンタでは、主軸モーターだけでなく、油圧ユニット、クーラントポンプ、チラー、制御盤、周辺機器でも電力を使用します。
まずは、加工していない時間にどの設備が動いているかを確認しましょう。段取り替えや休憩時間にも油圧ユニットやポンプが稼働している場合、停止ルールを決めることで待機電力を削減できます。
また、加工条件の見直しによって稼働時間を短縮できる場合もあります。工具の選定、加工順序、段取り時間、切削条件を改善することで、加工品質を維持しながら設備の稼働時間を減らせる可能性があります。
古い工作機械を使い続けている場合は、高効率設備への更新も選択肢です。導入費用だけでなく、電気代、メンテナンス費用、生産性向上の効果を含めて比較すると、長期的なコスト削減につながる場合があります。
工作機械や生産設備の省エネを進める際は、同じ製造業でも設備の種類や稼働時間によって見直すポイントが異なります。機械関連の製造業における省エネ方法については、関連記事も参考にしてください。
関連記事:【結局これ!】機械関連の製造業にイチオシの省エネ方法を紹介
溶接機・プレス機・集塵機の省エネ対策
溶接機やプレス機、集塵機も、金属加工工場で電気代に影響しやすい設備です。溶接機は作業していない時間の待機電力を確認し、休憩中や作業終了後の電源管理を徹底しましょう。
プレス機では、空運転やアイドリングを減らすことが重要です。必要以上に早く立ち上げていないか、作業待ちの時間に稼働したままになっていないか確認しましょう。
レーザー加工機を使用している工場では、本体だけでなく、チラーや集塵機、コンプレッサーなど周辺設備の電力使用も確認が必要です。加工機本体を停止していても、周辺機器が動き続けていると電気代が発生します。
集塵機や換気設備は、安全で快適な作業環境を保つために必要ですが、常時運転が必要とは限りません。工程や作業時間に合わせて運転し、不要な時間帯は停止することで省エネにつながります。
工場照明をLED化して電気代と交換作業を削減する
工場では、高天井照明、水銀灯、蛍光灯、作業灯など、多くの照明を長時間使用します。古い照明を使っている場合は、LED照明への交換によって電気代削減が期待できます。
LED照明は消費電力が少なく、寿命が長いため、交換作業の手間やランプ交換費用の削減にもつながります。特に高天井照明は交換作業に手間がかかるため、長寿命化のメリットが大きい設備です。
ただし、金属加工工場では、明るさだけでなく作業性も重要です。検査工程では、傷や色味を確認しやすい照度・演色性が求められます。加工エリア、検査エリア、倉庫、通路など、場所ごとに適した照明を選びましょう。
人感センサーやエリア別点灯を活用すれば、使っていない場所の照明を自動で消灯できます。倉庫、通路、休憩室などでは、センサー照明の導入も効果的です。
電力契約・基本料金を見直す
金属加工業の電気代を削減するには、電気使用量だけでなく、電力契約や基本料金の見直しも重要です。契約電力が実際の使用状況に合っていない場合、必要以上に高い基本料金を支払っている可能性があります。
低圧電力を利用している工場では、電子ブレーカーの導入によって基本料金を見直せる場合があります。すべての設備を同時に最大出力で使う時間が短い場合、契約容量を適正化できる可能性があります。
高圧電力を契約している工場では、デマンド値の管理が重要です。デマンド値とは、一定時間内の最大需要電力を示すもので、基本料金に影響します。始業時の一斉起動、昼休み明けの同時稼働、空調と生産設備の同時使用などでピークが発生していないか確認しましょう。
デマンド監視装置やデマンドコントローラーを導入すれば、ピーク電力を把握しやすくなります。設備の稼働タイミングをずらすことで、生産に大きな影響を出さずに基本料金を削減できる場合があります。
電気代を削減するには、電気使用量だけでなく契約電力の確認も重要です。契約電力の確認方法や変更の流れについては、関連記事「契約電力の調べ方」で詳しく解説しています。
関連記事:契約電力の調べ方3選!確認方法と契約変更の流れ・電気代削減のポイントを解説
エネルギー使用量の見える化でムダを把握する
省エネ対策を効果的に進めるには、どの設備が、いつ、どれくらい電力を使っているかを把握することが大切です。感覚だけで節電を進めると、削減効果の小さい対策に時間をかけてしまう可能性があります。
電力使用量を見える化すると、設備別・時間帯別の使用状況を確認できます。夜間や休日に電力使用量が高い場合は、コンプレッサー、空調、集塵機、照明などが不要に稼働している可能性があります。
また、ピーク電力を把握すれば、デマンド値を抑える対策を取りやすくなります。EMSを活用すれば、改善前後の効果も確認でき、現場の省エネ意識向上にもつながります。
省エネ対策を効果的に進めるには、設備別・時間帯別の電力使用量を見える化することが重要です。見える化のメリットや成功事例については、関連記事「電力の見える化」も参考にしてください。
関連記事:電力の見える化は必要?メリット・デメリット、成功事例を解説
太陽光発電・蓄電池で購入電力量を削減する
金属加工工場では、日中に生産設備を稼働することが多いため、自家消費型太陽光発電と相性がよい場合があります。工場の屋根や敷地に太陽光パネルを設置し、発電した電気を自社で使用すれば、電力会社から購入する電力量を減らせます。
蓄電池を併用すれば、発電した電気をためておき、ピーク時間帯や停電時に活用することも可能です。電気代削減だけでなく、BCP対策としても検討する価値があります。
ただし、導入前には、屋根の耐荷重、日射条件、工場の稼働時間、休日の余剰電力、補助金の有無などを確認する必要があります。初期費用を抑えたい場合は、PPAモデルなども選択肢になります。
金属加工業の省エネ設備導入で使える補助金・省エネ診断
コンプレッサー、空調、LED照明、EMS、太陽光発電、蓄電池などの省エネ設備は、導入費用が大きくなる場合があります。そのため、国や自治体の補助金・支援制度を活用できるか確認しましょう。
補助金は、対象設備、申請条件、申請期間、予算上限が制度によって異なります。設備を購入・契約した後では申請できない場合もあるため、導入前に最新情報を確認することが重要です。
また、省エネ診断を活用すれば、工場内のどの設備に削減余地があるかを把握しやすくなります。自社だけで判断が難しい場合は、専門家に相談し、電気使用量や設備の稼働状況を確認してもらうとよいでしょう。
金属加工業の省エネ成功事例
金属加工業では、工場の設備状況に合わせた対策によって、電気代削減につながった事例があります。
| 企業名 | 実施内容 | 削減効果 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 志村プレス工業所 | エア漏れチェック、稼働状況の遠隔管理、デマンドコントロール | 年間数100万円削減 | コンプレッサー・見える化対策 |
| ALFA製作所 | 電子ブレーカー導入 | 年間5万円削減 | 基本料金の見直し |
| 金子製作所 | LED照明導入 | 年間156円削減 | 照明電力・交換作業を削減 |
このように、金属加工工場では、エア漏れ対策、電子ブレーカー、デマンド管理、LED照明など、比較的取り組みやすい対策でも削減効果が期待できます。重要なのは、自社工場の電力使用状況を把握し、効果の大きい対策から優先的に実施することです。
金属加工工場の省エネチェックリスト
省エネ対策を始める前に、まずは自社工場の状況を確認しましょう。
- コンプレッサーのエア漏れを定期的に点検している
- 吐出圧力を必要以上に高く設定していない
- 昼休み・夜間・休日に不要な設備を停止している
- 工作機械の待機電力を確認している
- 溶接機・プレス機の空運転を減らしている
- 集塵機・換気設備の運転時間を見直している
- 高天井照明や水銀灯をLED化している
- 契約電力や基本料金を確認している
- デマンド値を把握している
- 設備別・時間帯別の電力使用量を見える化している
- 太陽光発電や蓄電池の導入効果を試算している
- 省エネ補助金を確認している
複数当てはまる場合は、電気代や基本料金を削減できる余地があるかもしれません。
まとめ
金属加工業の省エネ対策では、コンプレッサー、工作機械、溶接機、プレス機、集塵機、空調、照明、電力契約を総合的に見直すことが重要です。特に、エア漏れ対策、待機電力の削減、LED照明への交換、デマンド値の管理は、工場の電気代削減につながりやすい対策です。
また、太陽光発電や蓄電池を活用すれば、購入電力量の削減や停電対策にもつながります。省エネ設備の導入では、補助金や省エネ診断を活用し、自社工場に合った対策を検討しましょう。
金属加工工場の電気代・基本料金でお悩みの場合は、まず無料診断で、どの設備に削減余地があるか確認することをおすすめします。

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